私流エピソード分析




















心の盲目
            ・・・「心を結ぶ旅」


「心を結ぶ旅」の原題は「Blind Journey」という。盲学校の生徒たちの苦難の旅を描いているのだから、文字通り「盲目の旅」なのだが、この中に1人物理的に目は見えていても心が盲目だったご婦人が含まれていた。ご存じ、オルソン夫人。

 前編でジョー・ケイガンを教会に迎えることに強硬に反対していたように、しばしば彼女は偏見を持って物事を見ることが多い。彼女は目は見えていても、心の方はかなりしばしば盲目状態に陥るのだ。反対に盲学校の子供たちは、目は見えなくても、いやだからこそかもしれないが、心の目で見ることを知っている。人を判断するには外見ではなくて、その人の人間性こそ大事なのだということを。

 心の目を閉ざしたままのオルソン夫人もまた「Blind Journey」の言葉が当てはまる1人だったが、旅を通して段々その目は開かれていく。そして、ご存じのラストシーンへ。このラストで夫人のファンは急増しただろう(笑)。

 二つの意味を掛け合わすことの多いタイトルの付け方が、このシリーズはとてもうまいと思わず唸ってしまう。



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