ウォルナットグローブの謎




















ハンソンさんの悲しい最期


ウォルナットグローブの創設者として、ずっと町を愛し、町を支えてきたラース・ハンソンさんは、「なつかしい故郷へ 後編」で戻ってきた町の人々と蘇った町を目にしたその4ヶ月後に亡くなります。病床から立ち上がり、自分の足で教会への道を歩み人々の輪の中に迎えられたハンソンさんの、あのラストシーンに涙された方は多いと思います。頑固者だったけれど、町を愛する気持ちは多分一番であったハンソンさんが「大草原の小さな家」に登場した最後でした。

ハンソンさんを演じていたカール・スウェンソンは長いキャリアと豊富な出演歴を誇るベテラン俳優です。その彼は1978年10月8日に心臓発作で亡くなりました。「なつかしい故郷へ 後編」の本国初放映は1978年10月16日でした。つまり放映時にはカール・スウェンソンは既にこの世になかったということになります。西部劇などアメリカ開拓史を綴る作品に数多く出演し続けたカール・スウェンソンにとって「大草原の小さな家」、そしてこのエピソードは文字通り遺作でした。出演時の体調がどうであったのかはわかりませんが、もしかしたらあのハンソンさんのヨロヨロした歩みはカール・スウェンソン自身にとっても俳優としての総てをかけた精一杯の歩みだったのかもしれません。

その裏話を知ってしまうとあのシーンには並々ならぬ感慨を感じます。遺作としては素晴らしい作品でしたので、彼としても役者冥利に尽きたでしょう。

一足先に行った彼は、天国で第2のウォルナットグローブを作ってくれたでしょうか。




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