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アフリカの女王



THE AFRICAN QUEEN


1951年イギリス映画
カラー 104分  

監督 ジョン・ヒューストン

出演 ハンフリー・ボガート キャサリン・ヘプバーン
ロバート・モーレイ セオドア・バイケル


第一次大戦下の東アフリカ。「アフリカの女王」という名の蒸気船の船長をしているチャーリーは、一緒に布教活動をしていた兄を病気で亡くしたローズを載せて、迫り来るドイツ軍を避けて激流を越す。紳士と言うにはほど遠いチャーリーと品行方正でしっかり者のローズは、ぶつかり合いながらも力を合わせて川を下っていく。しかし、行く手にはドイツの戦艦が待ち受けていたのだった・・・。


キャサリン・ヘプバーンは大好きな女優さんの1人です。何と言っても知的で、しっかり者で口が達者で、特に美人ではないけれど、とても憧れる人です。背筋をピンと伸ばした品の良さが良いですね。そのキャサリンと、酔いどれ船長のボギーが狭い蒸気船の中での共同生活と苦難の連続の川下りをする珍道中。いかにも宣教師の妹らしく毅然とした態度を失わないキャサリンにたじたじになるボギーが面白いです。とにかく、2人の掛け合いの面白さがこの映画のキーポイントです。

また、いつも品良く綺麗にしているキャサリンが、この映画では着たきり雀で川の中に入って泥や草にまみれて汚くなってしまう!これぞ本当の体を張った汚れ役です。ボギーの方はよれよれが合っているんだけれど(失礼!)、キャサリンはいつも凛とした女性が似合っているだけにちょっとショック。でも、汚れてもプライドと品を失わない、生きるために正義のために汚れることをいとわず体当たりで人生を突き進んでいくキャサリンの別の素晴らしさにしびれました。

ボギーも紳士にはほど遠いとは言っても、辺境に残されたキャサリンを助けてお兄さんをきちんと葬ってから彼女を見捨てずに連れて行き、船の中でも一等席(?)を与えて優遇しているあたり、結構男気を感じます。お酒好きってだけで悪い人じゃないんですよね。

この2人、戦争が始まって自分たちが逃げるだけでも大変なのにとんでもないことを始めてしまうんですよね。愛国心に冒険心が混ざっているとでも言うのか・・・。

アフリカでロケをしたこの作品は、何かと有名になりました。キャサリン・ヘプバーンは「アフリカの女王と私」という自伝を書いているし、この映画のロケに材を取ったのがクリント・イーストウッドの「ホワイト・ハンター・ブラック・ハート」です。これによると、監督のジョン・ヒューストンは映画のロケそっちのけで象狩りに夢中になっていたとか。才能のある人は時々ご乱心召されるようです。

いい年した男女の大冒険アドベンチャーです。ボギーがアカデミー最優秀主演男優賞を取った記念すべき映画でもあります。
とにかく主演の2人の魅力で全編引っ張ります。おまけに激流下りや、大瀑布、それからドイツ艦とのやり取りなど、迫力あるシーンも満載です。いつもとは一風変わったキャサリンとボギーをご堪能あれ。


☆押し寄せる蚊の大群、たまらなかったなあ。






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