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巴里のアメリカ人



AN AMERICAN IN PARIS


1951年アメリカ映画  MGM
カラー  113分

監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 ジーン・ケリー レスリー・キャロン
オスカー・レヴァント ニナ・フォック
ジョルジュ・ゲタリ


第2次大戦後のパリ。この華やかな都で、画家修業を続けるジェリーは、質素な生活を続けながら絵に対する夢を捨ててはいなかった。同じアパートに住む音楽家のアダムとは仲良しで、お金がないときは互いに助け合う生活だった。アダムの友人で成功した歌手のアンリとも親しくなったジェリー。ある日、道で絵を売っているとお金持ちのマダム、ミロが絵をいくつも買ってくれる。事実上のパトロンとなったミロは、ジェリーのために個展を開く計画まで立て、ジェリーの才能を伸ばし同時にジェリーの気持ちをも惹こうと躍起になる。しかし、ジェリーは街中のカフェで出会ったキュートなリズに一目惚れしてしまう。が、リズはアンリの恋人だった・・・。


ミュージカルにモダンバレエを取り込んだということで話題になった作品です。全編を彩るジョージ・ガーシュインのメロディが心地よいミュージカルの傑作の一本で、アカデミー作品賞にも輝きました。

若かったジーン・ケリーの弾けるようなダンスが圧巻です。それにも増して、キュートなレスリー・キャロンの優雅なバレエを思わせるダンスが美しい。彼女は、パリのバレエ団でプリマを務めていたところを、ジーン・ケリーに見いだされてこの作品のヒロインを掴みました。フランス語なまりの英語も可愛いですね。特に後半の2人の絡みのダンスシーンは長尺で、ただただ凄い。最もミュージカル好きでない人には、意味もなく延々と踊り出す典型ではありますが(笑)。

友人の音楽家アダム役のオスカー・レヴァントは、「バンドワゴン」で活躍している名脇役。ジーン・ケリーの傑作ミュージカルには、実はこういった一歩間違えば主役を喰うような脇役がキラ星の如く散りばめられているんですね。

ゴージャスなニナ・フォック。お金には困らないお嬢様で(マダムというべきか?)、ジェリーに惚れ込んでパトロンとなってしまう人。ジェリーと出かけたカフェで、何とジェリーは隣のテーブルにいたリズに一目惚れしてちょっかいを出すのですが、これはニナ・フォックという連れがありながらあまりに失礼ですよね。自分が年を重ねて来ると、ニナ・フォックの気持ちがちょっとわかってくるのでした。プライドが高いし、決して恨み言なんか言いそうもないけれど、ただ素直に愛せる対象を(やや一方的にではあっても)求めているんですよね。

子供たちと歌う「アイ・ゴット・リズム」などのナンバーも楽しいです。しかし、やっぱり見所はガーシュインのメロディに乗ったダンスシーン。

それと共に、寂れたパリの裏町風景が描かれているのもちょっと新鮮ですね。ジェリーの部屋は文字通りのワンルームで、起きたらベッドは上に収納してクロゼットからテーブルが出てきて・・・。窓の外に食べ物が!芸術に生きるのも辛いです。


☆昔、初めて見たときにカフェオレってこうやって入れるんだと感激しました。片手にコーヒー、片手にミルクを持って、一斉にカップに注ぐ。こういう未知の文化が見られるから映画って好きです。






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