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ショコラ



CHOCOLAT


2000年アメリカ映画
カラー 121分

監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ジュリエット・ビノシュ ジョニー・デップ
レナ・オリン ジュディ・デンチ
アルフレッド・モリーナ キャリー=アン・モス
ヴィクトワール・ティヴィソル


1950年代末、フランスの小さな田舎町にヴィアンヌとその小さな娘がやってくる。村の人たちの好奇の目をよそに、ヴィアンヌは小さな店を買い取り、そこをチョコレートショップにする。地味で閉鎖的なこの村にはおよそ似つかわしくない店で、村民の間で物議を醸し出すが、一方でこの店に好奇心を押さえきれない人々もいた。店から流れる甘い香りに、人々は吸い付けられるように店に向かう。ヴィアンヌは、人々の好みのチョコレートを見抜く目を持ち合わせていて、人々は彼女の作るチョコレートに喜びを感じるようになる・・・。


閉鎖的な村に突然やってきたよそ者が開店したチョコレートの店。チョコレートさえも、この村では物議を醸し出す対象になります。でも、ヴィアンヌの作るチョコレートはその辺のチョコレートとは違いました。それぞれの好みを見抜いて、その人の大好きな味のものを提供して、人々に束の間の幸福を与えるのです。この不思議な力を持つヴィアンヌを、ちょっと独特のファンタジスティックな雰囲気を持つジュリエット・ビノシュが好演しています。この映画は、彼女の得も言えぬ不思議な魅力あってのものでしょう。

そして、夫の暴力に耐えかねて家出してヴィアンヌの店を手伝うレナ・オリン。やっぱり良い味を出しています。ジュディ・デンチの頑固な老女の存在感も抜群。頑固だけれど嫌な人ではなくて、ヴィアンヌのチョコレートに人生の癒しを感じて、彼女のおかげで逢うことの出来ない孫息子と束の間の逢瀬を楽しめる・・・。やっぱりこの人の演技は重厚ですね。「マトリックス」ではバリバリのアクションを披露していたキャリー=アン・モスが頭の固い未亡人に扮していたのにも驚き。でも、これが合っているんですね。ちょっとクラシックな髪型やスーツがとてもピッタリ。時代物の方がもしかして彼女には合うのかも。

ジョニー・デップはビッグネームですが、出番はそれほど多くありません。ヴィアンヌと心を通わせるジプシーのルー。ちょっと彼とヴィアンヌの絡みの描き方が中途半端だった感があるのですが、原作ではルーは全くの脇役ですから、仕方がないか。

ヴィクトワール・ティヴィソルはヴィアンヌの小さな娘役です。名前に聞き覚えのない方でも、「ボネット」のあの主演の少女、と聞けば「ええ〜!」と思われるのではないでしょうか。大きくなりましたね。ちょっと感慨に浸ってしまいました。
他にも懐かしのレスリー・キャロンの登場が涙ものでした。

現実の苦い面と、現実離れしたファンタジーが同居している映画です。チョコレート一つでそんなに人は幸せになるのか?チョコレートが好きな私は、やっぱり美味しいものを食べると幸せと答えたいですね。まして、作る人がそれを食べてくれる人を喜ばせようという気持ちに満ちている時はなおさら。食べ物が人を幸せにすると言う点では、「バベットの晩餐会」に通じるものを感じました。

画面に映るチョコレートの数々にただため息。匂い付き映画だったら幸せだったのに、って思いました。それに、チョコレートドリンク、あれも飲んでみたい!きっと濃厚な味なんでしょうね。私が一番食べたいと思ったのは、バラのクリームのチョコレートです。もう、想像するだけで嬉しくなります。

食べ物のことばかり書きましたが、ほんわかムードの素敵な映画です。出演者も皆凄く良い。一見の価値ありですね。


☆見終わると絶対チョコレートが食べたくなるので、あらかじめ用意しておきましょう。






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