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恋の手ほどき



GIGI

1958年アメリカ映画 MGM
カラー 116分
 
監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 レスリー・キャロン モーリス・シュバリエ
       ルイ・ジュールダン ハーミオン・ジンゴールド
  イザベル・ジーンズ エヴァ・ガボール


20世紀を迎える頃のパリ。社交界デビュー前のジジは、大伯母のアリシアから貴婦人教育を受けている。食事の仕方、宝石の見方、葉巻の選び方に至るまで、アリシアはジジを淑女にするために厳しい教育を施す。一方、かつて名うてのプレイボーイだったオノレ・ラシェイスは、今はパリきってのプレーボーイの名を甥のガストンに譲っていた。ガストンはジジのことをまだ子どもだと思っており、ジジも無邪気にガストンと遊び回る。ガストンは、リアンという美人でこれまた有名なプレーガールと付き合っていたが、リアンの浮気で別れてしまう。ガストンは華やかなパーティを開いてパリ中の話題をさらう一方で、足繁くジジの家に遊びに訪れる。


コレット女史の「ジジ」の映画化。ブロードウェイ劇で、オードリー・ヘプバーンが主役を演じたことでも有名な作品です。この作品を、絢爛豪華にミュージカル化したものです。
舞台は華の都パリ。おてんば娘が淑女教育を施され、恋に落ち素敵なレディに変身していく様子を描いたものです。パリの社交界一のプレーボーイのガストンにとってジジは気の置けない妹のような存在。ジジの家でトランプをして遊んだり、海に行って海水浴にテニス、乗馬と、二人は仲良く遊び回ります。そんな様子を楽しげに見守るジジの祖母の前に、ガストンの叔父で遠い昔愛し合ったオノレが現れます。愛してはいても結婚を嫌い、そのために別れた二人が、昔の想い出の一こま一こまを語り合うシーンは、バックの夕焼けと共に心にジーンと来るシーンであります。

ガストンとジジのことを聞いたアリシア大伯母は、二人を結婚させようとますますジジの淑女教育に力を入れます。カップにお茶を入れるのにも美しいマナー、歩くのにも美しい物腰、ワインを飲むに至っては香気を楽しみ、口の中で転がし・・・と大変なマナーの数々。淑女になるのは楽ではありませぬ。そしてロングドレスに身を包んだジジを見たとき、ガストンはジジがもう小さな少女ではなく、レディとして花開いたことを知るのです。

おてんば娘から、どんどん変身していくレスリー・キャロンのキュートな魅力。突然恋に目覚めて、町中を歌い踊るハンサムなルイ・ジュールダン。若い二人のフレッシュさも素敵ですし、モーリス・シュバリエやジジのおばあさま姉妹の暗躍もまた楽し。でも、何よりジジや女性たちの素敵なドレスの数々やマキシムでの華やかな集いが目を惹きます。思えば、多分この映画がMGMミュージカルが最後の輝きを放った作品となったのでした。何とこの映画は同年のアカデミー賞で作品賞、監督賞はじめ9部門を独占しました。そこまでの作品か?という疑問がつきまとい続けた映画としてもまた有名になってしまったのですが、この華麗さ、美しさに50年代ハリウッドの華やかさをしみじみと思って頂きたいものです。

☆いつも発声練習のお声だけ登場するジジのママ。どんな人なんでしょうね。






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