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リトル・ロマンス



A LITTLE ROMANCE


1979年アメリカ映画 オライオン
カラー  109分


監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ローレンス・オリヴィエ ダイアン・レイン
テロニアス・ベルナール
アーサー・ヒル サリー・ケラーマン
ブロデリック・クロフォード デビッド・デュークス


パリに住む13歳の少年ダニエルは大の映画好きで、今日も映画館に通っては画面に陶酔する日々だった。そんな折り、学校から訪れたベルサイユ宮殿の見学で、アメリカ人の美少女ローレンに出逢い、意気投合する。学校帰りに待ち合わせて逢うようになる2人。そんなとき、偶然知り合った老人ジュリアスからベニスにある「ため息の橋」でキスをすれば2人は永遠に愛し合えるという古い伝説を聞く。アメリカに帰ることが決まったローレンは、思い切ってダニエルとジュリアスと共に家出してベニスに向かう・・・。

懐かしい!とにかく懐かしい映画です。「ラッシー」と同時上映で、映画館に見に行ったのですが、思いがけずこちらの映画もとても良くて(「ラッシー」も素晴らしかったです)、とてもお得な気分になって帰ったものでした。

ダイアン・レインのデビュー作で、これで彼女は少女スターとしてブレイクしました。当時少女スターは沢山いたけれど(一大ブームと言っても良い時でしたね)、私はちょっと知的な感じでいて綺麗なダイアン・レインが一番好きでした。その根底には、この映画での好感度があったのかもしれませんね。

ダニエルは映画マニアで、冒頭見ているのが「明日に向って撃て!」。同じジョージ・ロイ・ヒル監督の映画ですね。他に「スティング」も出てくるし、ジョージ・ロイ・ヒル名作パレードみたいな気もします。それからローレン・バコールの映画も見ていましたね。そんなダニエルだから、ローレンと初めて逢って彼女の名前を聞いた時、「俺はボギーだ」って名乗るんです。「ボギーとローレンはいつも一緒なんだ」って。気障だけれど、可愛い。

2人はちょっと普通の13歳の少年少女と違って、実はとてもIQが高い。だから、ハイデッガーの話で盛り上がったりします。多分そんな風だから、クラスでも浮いてしまうのでしょうね。同志を見つけたという思いも手伝ったのか、2人の仲は急速に接近します。そして、とうとうベニスへ。「恋人同士がゴンドラに乗り、日の沈む時ため息の橋をくぐり、ちょうど鐘の鳴る時にキスをすれば2人は永遠に愛し合える」というベニスの古い伝説を自ら実践しにいくのです。

ダイアン・レインとテロニアス・ベルナールはとても爽やかな初恋を伸び伸びと演じています。それでいて、13にして女性の気持ちを敏感にわかろうとするテロニアスはさすがパリジャン(笑)。思わず応援したくなるとても可愛い恋です。

この2人の恋のキューピッド役の老人を演じるローレンス・オリヴィエがとぼけた演技で、笑いを誘いながらもホロリとさせてくれます。人の良いおじいさんなんだけれど、実はちょっとくせ者。こんな笑えるオリヴィエって他にあったかな?でも、バリバリのシェークスピア俳優の堅さの取れた老境の彼は結構好感が持てました。

ダイアン・レインの父を演じるアーサー・ヒル。私のお気入り俳優の1人です。実は、ダイアン・レインの3番目の父親という設定で、彼女と血のつながりはないのですが、彼女の気持ちをとてもよくわかっている素敵なお父さんです。若作りで派手好きなお母さんより、彼女のことをわかっているんですね。いつも物静かで紳士の彼が、妻に張り付いている色男の映画監督にピシッと最後通告を渡すところは格好良かったです。

ジョルジュ・ドルリューの音楽も素敵。ベルサイユやルーブル美術館など、観光スポット巡りも素敵。そして、ベニスのゴンドラがまた素敵。

今の大人の女優のダイアン・レインしか知らない方には、びっくりかも。でも、本当に可愛かったんですよ。テロニアス君はそれからどうしたのかな?
今見てもとても微笑ましい素敵な映画です。


☆ダイアン・レインの友達のナタリーと、テロニアス・ベルナールの友達(彼がまだ気障な格好してるんですね)が意気投合してダンスを踊ったり、街で会って喜んでいるところも可愛いです。






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