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マチルダ



MATILDA


1996年アメリカ カラー 98分

監督 ダニー・デビート

出演 マーラ・ウィルソン ダニー・デビート
リー・パールマン エンベス・ダビッツ


ぱおー。ご存じロアルド・ダールの「マチルダは小さな天才」の映画化作品であります。ボクはロアルド・ダールが大好きなので、この映画も楽しんで見ました。けっこう原作に忠実です。しかもダールのほかの作品もちゃんと読んだ上で作っているようで、それが登場人物のセリフに反映されています。

インチキな商売をしている中古車ディーラーの家に生まれたマチルダはとんでもない天才児。本をものすごいスピードで読み、家にある本を全部読み尽くすと、今度は図書館で借りまくって読みます。まだ学校に入る前から、頭脳は大学生並み。

ところが、両親はそんなマチルダにまったく理解がなく、ただテレビを見ていればいいと言い、ジャンクフードを食べながらテレビのバカな番組を見ているばかり。インチキ商売に低俗な趣味という家族のもとで、それでもマチルダはめげません。父親にむちゃくちゃな復讐をしたりして、とんでもないことばかりします。

やっと学校に行けるようになりますが、校長先生はとんでもない人。女性なのですが元やり投げの選手で、ものすごい体格。ちょっとしたことで子供を投げ飛ばす。まともにそんなことをしたら子供が死んじゃいそうですが、この作品はファンタジーだからいいのです。それにちゃんと原作どおりだし。

校長先生はひどい人ですが、若くて美しいハニー先生はとてもやさしい人でした。マチルダはそのハニー先生と仲良くなるのですが、ハニー先生はとても貧しい生活をしている。何やらわけがありそうです。

そのうちに、マチルダは自分の中に不思議な能力があることに気づき、それでもっておとなたちに仕返しをしていきます。これがまた痛快。おじいさんになっても子供の心を失わなかったロアルド・ダールの面目躍如といったところですね。

そして、マチルダの父親の商売がインチキであることがばれて、彼女の両親は海外に高飛びしようとするのですが、もちろんマチルダはそんなインチキな親についていくのもいやだし、ハニー先生とも別れたくありません。そこでとったマチルダのとんでもない解決策とは・・・

ロアルド・ダールの子供向け作品はたくさん映画化されていますが、当たりはずれもあります。そのなかでは、これは”当たり”のほう。ほぼ原作に忠実に作っている上に、原作の雰囲気も損なっていません。キャラクターの性格も原作どおりです。ダールが好きな方にはおすすめできます。逆に、「ウィッチズ」の映画化はどうしようもなかったなあ。原作の切ないラストを勝手にハッピーエンドに変えてしまうので、腹が立ったものです。

校長先生役の女優がなんと言っても圧巻でした。原作ではとんでもないことばかりするのですが、映画でもその通りやってくれるのでうれしかった。それから、ハニー先生を演じたエンベス・ダビッツもなかなかよかったなあ。クエンティン・ブレイクの挿絵みたいながりがりに痩せたタイプじゃなかったけど、雰囲気はよく出てました。

監督がダニー・デビートというところもおもしろい。この人は才人ですね。「ホッファ」なんてシリアスな映画も監督しているかたわら、こんな底抜けに楽しい映画を作るんですから。そういえば、製作者の一人にリッシー・ダールという人がいるんですが、ロアルド・ダールの2番目?の奥さんだそうです。

☆「ぼくらは世界一の名コンビ!」も映画化されているので見てみたいのですが、機会がありません。ジェレミー・アイアンズが出ているそうです。父親役か?





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