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ミュリエルの結婚



MURIEL'S WEDDING

1994年オーストラリア映画
カラー 105分
 
監督 P・J・ホーガン

出演 トニ・コレット ビル・ハンター
             レイチェル・グリフィス ジャニー・ドライナン


町の有力者の娘だけれど、ちょっと太めで、お世辞にも美人とは言えなくて、失業中で冴えない女の子ミュリエル。とても結婚願望が強い彼女だけれど、ボーイフレンドはなし。おまけに、派手な友人グループから仲間外れにされてリゾート旅行にも誘って貰えない始末。父親の小切手を勝手に換金して、ハイビスカスアイランドでバカンスを楽しむ彼女は、高校時代の友人ロンダと再会し、意気投合。意地悪グループを見返すが、小切手の件が親にばれてシドニーに出奔してしまう。そこで、新しい生活を手に入れた彼女は、段々素敵な女性へと変わっていく。


ミュリエルは人一倍結婚願望が強い女の子。やや暴君的な父親の元を逃れて、冴えない自分に別れを告げます。でも、外見的に美人とはほど遠い彼女は、ボーイフレンドとも無縁で、女友達からも馬鹿にされる日々。そんな彼女が都会に出て、自分を変えていくちょっとしたシンデレラストーリーです。いや、みにくいアヒルの子ストーリーとでも言うべきでしょうか。

ミュリエルを演じるトニ・コレットはこの映画で大躍進しました。体重を大幅に増やしての大熱演と聞きます。格好もスタイルも冴えなかった彼女が、どんどん変化していく様がこの映画の見所の一つ。自分の生活を持って、目標を結婚!に定めて、どんどん彼女は綺麗になっていきます。男性に誘われるようになり、良い雰囲気にもなっていく。そして、一つの出逢いが…。

ミュリエルの親友ロンダを演じるレイチェル・グリフィスも、この映画以降ハリウッドに進出して演技派女優になりましたね。最初は、弾けて踊りまくる彼女でしたが、難病に冒されて苦悩の時を過ごすようになり、ミュリエルも人生の苦悩を学んでいきます。そして、ミュリエルの母親も人生の苦悩を体現する一人。

何と言っても、全編を流れる懐かしい音楽が素敵です。70年代音楽が好きな人なら、ってことですけれど。実はミュリエルは、アバの大ファンで部屋にポスターを貼り、アバの音楽を聴いています。「ダンシング・クイーン」「フェルナンド」「ママ・ミア」…辛いことがある時、ミュリエルは「ダンシング・クイーン」をかけて、聞き入ります。ミュリエルが、今までの自分にさよならをするきっかけになったのも、リゾートの舞台でロンダと「恋のウォータールー」を歌い踊ったから。衣装もメイクもカツラまでつけて、アグネタとフリーダに成りきった姿は、笑えますが、元気になります。音楽って人の心を変える力を持っているのですよね。他にも、ブロンディの「恋するNo.1」なんかも登場して、懐かしさ満点。

正直なところ、ミュリエルの異様なくらいの結婚願望にはちょっと引きますが、真っ白なドレスと床を滑る裳裾にはやはりほのかな憧れを感じてしまいます。甘いだけではなく、ちょっとスパイスも効いた素敵な物語。

☆物語中、重要な役目を果たす水泳選手さん。かなりハンサムな人でした。






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