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アウトサイダー



The Outsiders

1983年 アメリカ映画  カラー 92分

監督 フランシス・フォード・コッポラ

出演 C・トーマス・ハウエル ラルフ・マッチオ マット・ディロン
   ダイアン・レイン パトリック・スウェイズ ロブ・ロウ


あのフランシス・コッポラ監督が何故か青春映画に凝っていた時があって、その頃に作られた代表的な1本です。当時ものすごい人気があって、映画雑誌のファン投票では圧倒的1位。さらにこの映画から、ブラッドパックと呼ばれた青春スターが山のように輩出されました。

オクラホマ州タルサ。この町で暮らす貧しいグリースと山の手のお金持ちの子息ソッシュは対立するグループで、会えば喧嘩の繰り返し。グリースの一員ポニーボーイは詩が好きな繊細な少年で、両グループの対立にくだらなささえ感じていたのですが、ソッシュに襲われ、彼を助けようとした親友のジョニーと共に事件の渦中に・・・。

ストーリーは「ウエスト・サイド物語」でも扱われたグループ対立で、コッポラお得意のマフィアのジュニア版みたいなものです。でもそこは青春映画で、青春の心の痛みや心の純粋さが描かれていて、胸が切なくなります。特にポニーボーイが夕陽を眺めているシーンに、あのCMでリバイバルした「ステイゴールド」が流れてくると、気分はキャンプファイヤーで肩を組んで歌を歌ったあの頃にタイムスリップ・・・。と言っても、この映画を見た頃は、等身大で彼らを見られる年頃でしたから、懐かしさなどかけらもなく彼らの痛みが自分のように感じられて感情移入したものでした。何がそこまで心に響いたのか、と今問われると明確な答えが出来ないのですが、理屈ではない、フィーリングでずっぽりはまってしまったのでした。繊細だったのでしょうね(笑)。ロードショー、2番館、3番館と何回見に行ったことか。テープレコーダーも持参して、セリフと「ステイゴールド」を録音したものでした。

キャストは今から見れば綺羅星のごとく。トーマス・ハウエルは「E.T.」に出たばかりというところでまだ無名の若手(というより少年)でした。マット・ディロンはそこそこ売れ始めた頃で、ダイアン・レインは「リトル・ロマンス」でブレイクしてから段々大人の女優への道を歩き始めていた頃でした。レイフ・ギャレットなんて懐かしい名前も出ています。

他の面々はこの作品で飛躍しましたね。ラルフ・マッチオは「ベスト・キッド」がヒットしました(今どうしてるかな?)。主人公ポニーボーイのお兄さん役だったロブ・ロウはあの甘いマスクで一躍スターに。メリッサ・ギルバートとのロマンスや、スキャンダルもあったけれど今は大人の俳優として落ち着いてますね。ポニーボーイの長兄役のパトリック・スウェイズはこの中ではずっと年上でさすがに落ち着きを見せていました。その後は年齢相応の役も多くなって、「ゴースト」では人気を博しました。「シティ・オブ・ジョイ」など佳品にも結構出ています。エミリオ・エステベスも面白いキャラクターでスターに。ブラッドパックの親分格と言われていました。仲間の中では一番冴えなかった(失礼!)トム・クルーズがいかにスター街道を登ったかは皆さんご存じの通り。え?天の邪鬼の今回のお気に入りですか?勿論ハンサムNO1、役名も素敵なソーダポップ役ロブ・ロウでした!

仲間が一番大切なもの。タフでクールなことが格好良かった頃。自分の心は他にあっても敢えて仲間達に合わさざるを得なかった日々。世の偏見を知ってしまって後戻り出来なくなった頃。自分の意志に反する流れにどうにも逆らえなかったその時。青春の痛みと悲しみがビンビン心に響き、「ステイゴールド」を聞くとパブロフの犬状態でホロリと涙が出てくる、思い出の一本です。

☆マット・ディロンの人気はすごかったですねえ。かつての青春スターって目で見てしまいがちだけれど、今をときめくブラピやキアヌと年はほぼ一緒なのよね。






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