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フィラデルフィア物語



THE PHILADELPHIA STORY

1940年アメリカ映画  MGM
白黒 112分
 
監督 ジョージ・キューカー

出演 キャサリン・ヘプバーン ケーリー・グラント
    ジェームズ・スチュアート ジョン・ハワード
   ルース・ハッセイ ローランド・ヤング


フィラデルフィアの上流社会のご令嬢トレイシーは、前夫デクスターとの離婚から2年後、ジョージとの結婚を控えていた。デクスターの入れ知恵で、雑誌記者のコナーとカメラマンのインブリーが、トレイシーの南米にいる兄の友達の振りをして結婚式の取材にやってくる。父親の私生活をばらされないために、トレイシーたちは素知らぬ顔をしてコナーたちを受け入れるが・・・。


キャサリン・ヘプバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュアートの3大スターがタグを組んだコメディです。舞台は、フィラデルフィアで、上流社会に属する大金持ちのお屋敷。そこの跳ねっ返りお嬢さんを中心に繰り広げられる恋のさや当てです。とにかく、というかいつものことですが、キャサリン・ヘプバーンが素敵です。お金持ちの気が強いお嬢様は、この頃の彼女の十八番とも言える役。次から次へと着こなす上等のドレスも、彼女のスラッとしたスタイルに良く合って、品が良くて知的で、でも気が強くて相当のじゃじゃ馬娘。それらの全てが彼女を活き活き見せるのです。相対するケーリー・グラントも、彼のお得意とする役所。キャサリン・ヘプバーンの前夫で、キャサリンに未練があって結婚式に出席するという名目の元に押し掛けてあれやこれやの大騒ぎ。おまけに、ケーリー・グラントが連れてきたのが、雑誌記者(本当は売れない作家なんだが)のコナーとカメラマンのリズ・インブリーで、仕事のために来た筈のこの二人も何故だか恋の騒動に巻き込まれていくわけです。

この時代ならではの、スマートでユーモアたっぷりの洗練された恋愛コメディです。3大スターも素敵なんだけれど、カメラマンのリズ役のルース・ハッセイのちょっと抑えた演技がとても心に残りました。秘かに思っている人が、他の華やかな薔薇に惹かれていくのをただ見ているしかない女性の気持ちが良く伝わってきます。とは言っても、ルース・ハッセイも十分美人なんですけれどね。

この映画は、50年代にご存じ『上流社会』としてリメイクされました。ブロードウェイでは大ヒットを記録した喜劇でもあります。

アメリカではとにかく有名な話なのです。適材適所に名役者を得て、名匠がそれを束ねれば、こんな洒落たコメディが出来るんですね

。アメリカで何故コメディが重んじられるのか、これを見ているとわかる気がします。


☆あの沢山の結婚の贈り物は、そのまま貰うんだろうか、やっぱり。







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