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黄金の七人



SETTE UOMINI D'ORO


1965年イタリア映画
カラー  91分

監督 マルコ・ヴィカリオ
出演 ロッサナ・ポデスタ フィリップ・ルロワ
ガストーネ・モスキン モーリス・ポリ
ガブリエル・ティンティ ダリオ・デ・グラッシ
ジャンピエロ・アルベルティーニ


ところはジュネーブのスイス銀行。厳重な金庫の中には7トンの金塊が眠っている。その金塊を盗み出すべく結集した仲間たち。犯罪の天才「教授」と実行犯となるヨーロッパ各地から集められた6人の男たち。そしてお色気いっぱいの教授の愛人ジョルジア。教授とジョルジアはホテルにこもり、そこから無線を通して仲間たちに指示を送る。その指示を忠実に実行する6人。しかし、予定外のハラハラが何度も起こる。果たして、計画は成功するのか?


スイス銀行に眠る7トンの金塊を狙う泥棒一味の大作戦を描く痛快アクションです。とにかく面白い。リアリズムか芸術的映画かマカロニウエスタンかスプラッタがどうしても思い浮かんでしまうイタリア映画に於いて、この映画の占める位置はかなりユニークと言えるのではないでしょうか?とにかくおしゃれで面白い。話の展開も早くて、話の贅肉がすっかりこそげ落としてあるところが良いです。オープニングから、何の説明もなしに黙々と作業をこなしている6人。ゴージャスな衣装に身を包むジョルジアを伴ってホテルにチェックインするボスの教授。教授はこのホテルの一室から、あちらこちらに仕掛けたカメラを通して状況を把握しながら無線で指示を送るのです。クルクル回るアンテナらしき物のクラシックさが逆にとても新鮮!きっとあの時代の最先端の装置なんでしょうが、今から見ればクラシカルそのもの。逆にそこが良いんですね。これが何でもパソコン、インターネットだったらありふれてるもの。

監督夫人でもあったロッサナ・ポデスタはその魅力を爆発させて代表作となりました。ゴージャスな毛皮の着こなし、髪の色も自在に替えて、かなり危ういシースルーも着て、妖艶な魅力を発揮しています。それでいて、いやらしさは感じさせないところがこの映画の魅力かな。
知的な教授は、この作戦の立案者であり中枢であり、みんなに尊敬されている人間。確かに実に緻密そのものの考え抜いた作戦は、悪いことと知りつつも爽快感を感じてしまうのです。

その下で働く6人。ヨーロッパ各地から集められた犯罪のプロフェッショナル。ドイツ人、フランス人、イギリス人、イタリア人、ポルトガル人・・・一体意思の疎通は何語で行っているのか不思議なくらい。おまけに全員名前がAで始まるというお茶目なおまけ付き。でもこの6人はとても寄せ集めとは思えない見事なチームワークであり、見事なプロ意識の塊なのにどこか抜けていてどこか人が良かったりして笑わせてくれます。なかなか冴えています、この6人は。

犯罪計画も凄ければ、その後の2転3転する展開も凄い。だましだまされあう、たぬきときつねの合戦。その楽しいこと!今の映画だったら、きっとまずは教授のプロフィール紹介から始まり仲間集めに作戦会議と延々と展開されるところなんでしょうが、そういった経緯がこの映画では完全にそぎ落とされているんですね。その結果の91分という時間が一切飽きさせない集中力を持続させてくれるのです。実に良い展開です。

♪ダバダバダバ〜というテーマ音楽はきっと聴いたことがある方もいるのでは?とってもおしゃれで素敵で、見たあと耳について離れません。とにかく、曲だけではなく映画そのものがとってもおしゃれ。これは絶対見て損はしません。機械の古さは別にしても、他の部分ではちっとも古さを感じさせないのです。未見の方、極上のエンターテインメントを是非堪能してください。


☆ラストには本当に唸ってしまいます・・・。言えないのが辛い!






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