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荒野の七人



The Magnificent Seven

1960年アメリカ映画  カラー 128分

監督 ジョン・スタージェス

出演 ユル・ブリンナー スティーブ・マックイーン
イーライ・ウォラック ホルスト・ブッフホルツ チャールズ・ブロンソン
ブラッド・デクスター ジェームズ・コバーン ロバート・ボーン


毎年収穫時になると盗賊団に襲われ搾取されるある小さな村で、相談の結果盗賊達と闘うガンマンたちを雇うことになった。早速スカウトに出かけた村人に誘われたクリスは、お金を餌に仲間集めを始める。クリスと意気投合したビン、昔なじみで一攫千金を夢見るハリー。ナイフ投げの名人ブリット。丸太割りで登場するオライリー。ベストスタイリストで過去のあるリー。そして、若さ故の血気盛んさが災いして仲間入りを断られながらあくまで粘ってとうとう仲間入りを果たすチコ。七人のガンマンは村に向かい、村人たちに戦闘を教え、自らも決死の戦いに挑む・・・。黒澤明の「七人の侍」を西部に置き換えてリメークした西部劇の傑作です。

ジョン・スタージェスは大好きな監督さんです。とにかく彼の描く世界は男臭くて、格好良くて、女があまり出てこないところが良い。そのジョン・スタージェスを好きになったのは実はこの映画を見てから。あれは高校生の時だったと思います。男が七人・・・はまりました(笑)。と言っても私好みのハンサムがいるわけではないし、さっぱり格好良くしているのはロバート・ボーンぐらいで、後の人は格好もよれよれで服をいつ洗濯したんだろう?という感じなのですが、馬上で七人並ぶと格好良い。そこにあの名曲がかぶさって、もうしびれます。

上から下まで真っ黒な衣裳に身を包んだユル・ブリンナーの貫禄。リーダーとはこういう者ぞ、というお手本。ちょっとお茶目なスティーブ・マックイーン。村の子供のお皿に料理をよそいながら「お姉さん、いる?」と聞くところなど、笑いを振りまいてくれます。でも一番光っていたのは私にとってはチャールズ・ブロンソンでしたね。淀長さん曰く、干しカボチャのようなお顔なのですが、皺の一本一本に哀愁が漂っている。何と言っても彼の演じたオライリーは、素朴な山男のような人柄で、何故か子供たちの人気者で、それ故に・・・。もうけ役だったことは確かです。

敵役のイーライ・ウォラックも悪い奴なのに、彼らを追い出しただけで納得してしまう、抜けているのかちょっとは温情があるのか、わからない人(笑)。でも十分嫌な奴ぶりは発揮しています。

クリスの唯一昔なじみだったブラッド・デクスターは金が村に隠されていると信じる夢多き人でしたが、ホントに信じてたのか、そう自分に言い聞かせていたのか、ちょっとわからなくなりました。結構友情に厚い人で、ホロリと来ました。ナイフ投げの名人コバーンさんは、あまりしゃべらなくて黙々とナイフを投げている。「スピーク ラーク」の頃とあまり変わらない姿形で。ロバート・ボーンはやっぱり一番気障で、多分インテリで、そもそもどうしてガンマン稼業に入ったのだろうか?彼らの過去をたどるだけで、それぞれ別の作品が出来そう。ホルスト・ブッフホルツは、この映画のおかげで若造のイメージしかないのですが、80年代にはしっかりおじさんになっていました。ユル・ブリンナーに銃を抜く早撃ちテストされる姿は忘れられません。

荒野をかける男たちと、弱き者を守るための戦い、早撃ち、駆け引き、西部劇の醍醐味が思いっきり詰まった大好きな映画です。1960年、まだ彼らの多くが無名だったからこそ組めたキャストですね。もっと後だったら出演料を考えるのが怖い・・・。


☆我が家では有名な「荒野の七人」のテーマ曲の他に、盗賊達が現れるときのテーマ曲も歌うのが「通」ということになっています。





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