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2002/2/17 |
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Brian Boitano 1963年10月22日生まれ
アメリカのフィギュアスケート選手 男子シングル
ブライアン・ボイタノは80年代後半を席巻したスケーターだった。
笑わないボイタノ、ほとんど失敗をしないボイタノという定評があった。
彼がピークで迎えたのがカルガリーオリンピックだった。この頃の男子シングルではボイタノとカナダのブライアン・オーサーがトップ争いをしていて、2人のブライアンの対決に注目が集まっていた。
そして迎えたフリーでは、こともあろうに2人ともミリタリー調の衣装に身を包んでの滑走となった。
ブライアン・ボイタノはブルーの衣装でナポレオンを演じた。いきなり片腕を挙げたままでのジャンプに度肝を抜かれた。腕を挙げたままのジャンプはとても難しいという。そして、その後のジャンプもスケーティングもすべてミスのない素晴らしいものだった。オリンピックの男子シングルをもう随分長い間見てきたが、あの時のブライアンのナポレオン演技に匹敵するほど、完璧なものは今でも見たことがない。
オーサーも素晴らしかった。ごくわずかなふらつくミスがあったことが致命的になった。他のオリンピックなら、間違いなくオーサーも金メダルを取れたはずだ。だが、ボイタノが素晴らしすぎた。
ボイタノのスケーティングの全てを見てきたわけではないが、私が見ていた中では本当にミスの少ない選手だった。ジャンプを失敗するところも見たことがなかった。勿論人間なんだから、ミスがないわけはないと思うのだが、大舞台に強くて持てる力を遺憾なく発揮するタイプだったのだろう。
彼の持ち技にイーグルというものがある。仰向けに倒れながら、輪を描いて滑るものだが、彼ほど素晴らしいイーグルもこれまた彼以来見たことがない。イーグルっぽいものはいくつも見たことがある。しかし、彼ほど急な傾きでそれも何度も何度も輪を描くイーグルは彼だけにしか出来ないのだろうか。彼のお得意技で、スローパートでこれが出るのを心待ちにしたものだ。
それからも好きな選手は出てきたが、ジャンプ、スケーティング全てにおいて一番完璧だったのは、やはりカルガリーのボイタノだと思う。
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