「サウンド・オブ・ミュージック」映画製作裏話



















歌うイライザ、歌わないイライザ
「サウンド・オブ・ミュージック」ではもう押しも押されぬ大スターであったジュリー・アンドリュースですが、彼女が本格的に名が知れ始めたのはブロードウェイの「マイ・フェア・レディ」が大ヒットしてからでした。彼女が演じたのは勿論ヒロインのイライザ。持ち前の歌声で、「踊り明かそう」を歌い、コクニー訛で「素敵じゃない?」を歌い、彼女のイライザは大評判でした。

「マイ・フェア・レディ」が映画化されるにあたって、相手役のヒギンズ教授は舞台と同じレックス・ハリスンですんなり決定したのですが、映画界では無名のジュリーは、知名度では及ぶべくもないオードリー・ヘプバーンにイライザ役をゆずる形になってしまいました。オードリーは、自分で歌うことを主張したのですが、結局力不足で吹き替えに。ブロードウェイの当たり役を、歌わない女優に奪われたジュリーの心中はいかばかりだったでしょうか。

しかし、同年ディズニーの「メリー・ポピンズ」で主役を射止めたジュリーは、この演技でアカデミー主演女優賞に輝き(オードリーは自分で歌わなかったことからノミネートされなかった)、面目躍如。

そして、翌年の「サウンド・オブ・ミュージック」で大当たりを取ります。この数年ジュリーはマネーメーキングスターナンバーワンに輝くのです。

ジュリーの「踊り明かそう」をスクリーンで聞いてみたかった思いは強いですが、イライザかメリー・ポピンズかと言われれば、やっぱり彼女のイメージはメリーかも。まして、「サウンド〜」のマリアは彼女以外に考えられません。

逆にゴージャスな衣装の着こなしはオードリーの方がさすがに勝っていたかも。

一時は、失意のジュリーでしたが、結果的にはこれで良かったのかも?



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