「サウンド・オブ・ミュージック」映画製作裏話























この人が監督をしていたら?
「サウンド・オブ・ミュージック」は20世紀フォックスが命運を傾けた鳴り物入りの企画だった。当然、監督選びにも慎重が期された。
 以下の人たちが監督候補として名を連ねた。もし彼らが監督をしていたらどうなった!?


☆ジーン・ケリー
「あんなものの監督は出来ないよ」と言って断ったそう。もし彼が監督を引き受けていたら、オーストリアロケはなくて、スタジオ内で書き割りで撮影された!?大佐と子供たちは歌だけではなく、タップを踊っていたかも(笑)。彼の監督しての才能を疑うわけでは決してありませんので念のため。

☆ビリー・ワイルダー
「カギ十字が出てくるミュージカルなんて絶対ヒットしないよ」と言って断ったそう。
もし彼が監督を引き受けていたら?名匠だけに相当スパイスの利いた作品に仕上がっていたと思うが、ミュージカルとしてはどうだったろうか?多分、彼が監督なら、トラップ大佐はジャック・レモン、マックスおじさんはウォルター・マッソーで決まりですね。

☆ウィリアム・ワイラー
最後まで残った有力候補だった。名匠中の名匠だけに、質に期待は持てるがミュージカル監督としての力量はどうだったろうか。主演にオードリー・ヘプバーン、大佐役にレックス・ハリスンを強く望んだらしい。それでは、まるで「マイ・フェア・レディ」コンビがアルプスに登ったみたい。「コレクター」を先に撮影することを望んだために、結局撮影調整がつかず降板した。後日、「サウンド・オブ・ミュージック」の大成功を見て、この監督を逃したことを「ミスを犯した」と言っていたらしい。


ということで、白羽の矢が立ったのがロバート・ワイズ。実は彼も「砲艦サンパブロ」の撮影を控えてていたのだが、ロケ地の天候悪化で手が空いていたらしい。
何と言っても「ウエスト・サイド物語」の冒頭で見せた上からのアングル、ダンスシーンなどミュージカル監督としてアカデミー監督賞も手に入れ、力量は証明済み。彼が監督で大正解だったと思う。
彼は、「ウエスト・サイド」と「サウンド〜」でオスカーを2度手に入れたこともあって、ミュージカル監督としての名声が先に立ってしまった感があるが、実は大変な社会派監督。50年代の「罠」「私は死にたくない」などで大変な実力を見せている。40年代にはあの伝説の「市民ケーン」の編集を行っている。また、何と彼はSF監督としても力量を発している。50年代、B級SF全盛時に「地球が静止する日」というシリアスなSFドラマを作り、SFドラマの古典と化している。「スタートレック」シリーズ第一作の監督も彼。もしかしてトレッキーなのだろうか?テレビドラマと比べて内容が難しすぎたという声もあるが、SFマニアにはシリーズ中最高作という声も多い。





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