懐かしのテレビ館



























































ゆかいなブレディ家


The Brady Bunch


1969年からアメリカABCテレビにて放映
カラー30分
日本では1970年7月4日よりフジテレビ系にて放映


 1969年から74年まで続いたアメリカの国民的番組です。今でも映画などで「ブレディ・バンチみたい」などというセリフが引用されるところを見ると、かなり愛されていたことがわかります。

 妻を亡くして3人の息子と暮らすマーク・ブレディと3人の娘を持つ未亡人のキャロルが愛し合って結婚。一挙に家族が増えたブレディ家で起こる日常生活を描いたコメディドラマです。根本を流れているのはさわやかな家族愛と助け合い。大人も子供も安心して見ていられるドラマです。

 マークを演じるのはロバート・リード。背が高くて格好良い。これまた私の理想のタイプです。心の中のダディの1人かな(笑)。キャロルはフローレンス・ヘンダーソン。ブロードウェイの舞台にも立ったことがある人で、ドラマでも自慢の喉を披露してくれます。そしてこの夫婦、愛し合っているし、子供たちのとても良いパパとママなんですが、基本的に脳天気(笑)。まあ、この両親の脳天気さが一家円満の秘訣でありましょう。でも勿論子供にきちんとしたしつけは怠りません。

 男3人、女3人の子供たち。特にこの頃、長男役のバリー・ウィリアムズはアイドル的な人気があったと聞きます。5年も番組を続けていれば子供たちも大きくなります。このバリー・ウィリアムズと長女役のモーリン・マコーミックにはほのかなロマンスが生まれたという話も・・・。

 放送を見ていた頃、私はまだ小さかったのですが、強烈な印象が残ったのがブレディ家のキッチンでした。広いカウンターに両開きの大きな冷蔵庫。そして壁に埋め込まれた大きなオーブンが二つ。アメリカの豊かさの象徴のような気がして、ただただ憧れました。それにお手伝いさんのアリスもいるんですものね。地下の家事室では洗ってそのまま乾燥に至る洗濯機があったという話も。マイクって高収入なんだな、とそんなことばかり考えていましたっけ(笑)。

 でもストーリーは庶民的で、子供たちのバスルームの奪い合いはこのドラマの中の永遠のテーマです。何分子供たち6人で一つのバスルームを共有しているのです。いかに熾烈な闘いかは想像出来るというもの。ブレディ家にはバスルームがいくつあるのか、というのが論争になったという噂も。子供たちのこのバスルーム、夫婦の寝室にあるバスルーム。ではお手伝いのアリスはどのバスルームを使うのか?うーん、これは私も解明できなかったのですが、実は階段の下にもう一つバスルームがあるという噂が・・・。

 それからスーパーのクーポンを必死で集めて、テレビを貰うかミシンを貰うかの論争。これって全く庶民感覚。この大家族にテレビが一台しかないところはやはり昔のドラマでしょうか。

 何か決着をつける必要が起きるとしばしば登場するトランプのカードを積み上げる競争や、ポテト袋競争(ポテト袋に入って飛び跳ねてどちらが先にゴールするか競う)!あげくに大きくなった子供たちがバンドを結成してキラキラ衣裳に身を包んでステージで歌うおまけまでついています。これはやっぱり「人気家族パートリッジ」への対抗だったのか、当時の流行だったのか。

 ブレディフィーバーはとどまるところを知らず、番組終了後も "The Brady Kids" というアニメや、"The Brady Girls Get Married" 、 "The Brady Brides" などが作られ、90年代初めには久しぶりに"The Bradys"も作られました。でもパパ役ロバート・リードが亡くなって、もう2度とオリジナルメンバーの大集合が見られないのは大変残念です。

 95年には映画版「ゆかいなブレディ家」も作られました。キャストは一新していますが、現代のLAの中で70年代の暮らしをそのままのんきに維持しているブレディ家の人たちという設定で、おなじみの生活風習を繰り広げ(ポテト袋競争も!)、大爆笑。これほど笑える映画もそうはありませんでした。オリジナルドラマを笑い飛ばしているんだけれど、現代のあくせくした社会をも強烈に皮肉っていてパンチが効いていました。勿論ブレディ家の子供たちのキラキラ衣裳のステージシーンもあるし、その会場の駐車場に「パートリッジファミリー」と書いたバスが駐車しているというおまけつき。

 すごーくのどかで、滅茶苦茶笑えるドラマ。勿論心のどこかはいつも温かくなる、古き良きアメリカの、ちょっと豊かなアメリカをも描く懐かしいドラマです。



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