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生徒諸君!


庄司 陽子


転校生ナッキーこと北城尚子は明るくて元気が良くておまけに秀才。早速仲間を集めて悪たれ団を結成し、悪たれ団は中学の中心的なグループになります。しかしナッキーには体の弱い姉マールがいて、親が姉にかかりきりだったためにずっと田舎の祖父母のところに預けられていたのでした。初めて実の親と暮らすことになった彼女は持ち前の明るさと才能で、楽しい毎日を送ります。ナッキーと仲間の悪たれ団が中学、高校、大学と悲しみも喜びも取り混ぜて成長していくさまを追った青春マンガです。

ナッキーは美人で明るくて秀才で運動神経抜群で性格も良くて、おまけに大金持ちの令嬢です。でもそれらを鼻にかけることのない気さくな性格。ここまで揃ったヒロインって、さすがの少女マンガの世界でもそうはいないのでは?うーん、それだけにファンの皆様ごめんなさい!私にはちょっと苦手なタイプです。明るくて元気が良くて辛いことがあっても表に出さないで健気に生きている朝の連続小説ヒロインタイプはどうしても苦手です。でも嫌いというのではありません。

悪たれ団のメンバーの方は、ナッキーに比べれば親しみが持てる顔が揃っていますね。ナッキーが苦手なんて堂々と言うような天の邪鬼は誰が好きなのか?と問われると、勿論「舞ちゃん」です。転校したてのナッキーの面倒を見るクラスの副委員長。いわゆる優等生タイプ。やっぱりね・・・。悪たれ団の中の良心と言いますか、一番しっかり者で堅実なタイプ。でもナッキーが高校に戻ってくるとき、教室の窓からナッキーの姿を見て飛び出して行って抱きつくところは泣けました。ナッキーの独白で、いつもしっかり者の舞ちゃんが・・・という言葉がかぶさるところ。
それから、これは女の子では多分一番人気のポピュラーな線だと思いますが、やっぱり沖田君かな。中学生にして男のポニーテールなんて許されるわけないでしょうに、と思いつつ(でもそこがいい!自覚がなかっただけで、その頃からポニーテールの男性が好きだったのか?)、クールで一匹狼的で陰のある彼にはやっぱり惹かれます。

しかしどうしてもわからないんですが、ナッキーはどうして小さいときから祖父母に預けられていたんでしょうね。マールに手がかかるのはわかるけれど、北城家は使用人が何人もいる大変なお金持ちではないですか。乳母なり、ベビーシッターなりを雇って、2人一緒に育てることは可能なように思うのですが。あるいはその頃はそんなにお金持ちではなかった?それなら、せめてそれだけの余裕が出てきた時に少しでも早く引き取ることが出来たでしょうに。そのあたりの事情については説明がなされていたのでしたっけ?記憶も遠いものになっています。

何だかんだと文句を並べましたが、当時すごく流行っていたし、私も結構はまってました。中学ぐらいからの多感な年頃からずっと続くグループの友情って設定はうらやましかったですよね。私にとっては青春(と言うにはやっぱり若すぎたけれど)、とりあえず青春の一頁を飾ったマンガではありました。


☆「生徒諸君、さらばです!」なんて答辞、許されるわけがないと知りつつも、ここで言ったら受けるだろうにとほんのちょっとだけ思ってしまった卒業式。勿論代表の方はナッキーにはあらず。

講談社少女フレンドコミックス、文庫で刊行





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