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めぐり逢い



An Affair To Remember
1957年アメリカ映画  20世紀フォックス
カラー  106分

監督 レオ・マッケリー
出演 ケーリー・グラント デボラ・カー リチャード・デニング
   ニバ・パターソン キャスリーン・ネスビット


出会った場所は豪華客船のデッキ。男はハンサムで名うてのプレーボーイで画家。女は知的な美女で歌手。船上で恋に落ちた二人は、既に婚約者のある身。それぞれの恋を精算して、「天国に一番近い場所」で再会することを誓い、船を降りる。そして、運命の再会の日。ひたすら男は待ち続けるが彼女は現れない・・・。

 古典的なすれ違いメロドラマの傑作です。監督のレオ・マッケリーが30年代に作った「邂逅」という映画が気に入っていて、自らの手でリメイクしたものです。さらに90年代にはウォーレン・ビーティとアネット・ベニングで再リメイクされたほど、有名なお話です。「邂逅」は見ていないので比べられませんが、ウォーレン版よりはやっぱりこちらの方がずっと素敵(ウォーレンが嫌いなわけではありません)。

 ちょっとニヤけているけれどおしゃれな2枚目役の第一人者ケーリー・グラントと知的でエレガントそのものの美女デボラ・カーの組み合わせはただただため息が出るほど素敵です。出会った場所は豪華客船で、デボラ・カーのドレスは素敵だし、目の保養がいっぱい出来ます。そして会話やちょっとした仕草が洒落ていてロマンティック。昔の映画ってこんな細かいことに気を配っているんだな、ってことが実感できます。たとえば迎えに来ていたそれぞれの婚約者に相対した二人の間の、婚約者には気づかれないやりとりなど笑えます。それでいておしゃれ。

 気の毒なのは二人の元の相手で、特にデボラ・カーの婚約者などとっても良い人で、「この人の方がケーリー・グラントより良いんじゃないの?」と現実的な私は思ってしまいました。

 再会の約束は果たせなかったけれど、偶然のいたずらから二人は再会します。そして今度は心に生じるすれ違い。登ってきたエレベーターから乗客が吐き出されるたびに、必死にデボラ・カーを探していたケーリー・グラントを見てしまうと、気持ちはわかるんだけれど・・・。いくら何でも何月何日にどこどこで逢いましょう、の約束だけでなく互いの連絡先ぐらいは教えあっておいたら、と誰でも考えるでしょうが、そこは古き良き時代。携帯ですぐに連絡がとれる今とは違うのだ、と割り切って見ましょう。だからこそ、色々なドラマが生まれて、小説家も脚本家もお仕事が成り立つのです。

 ラストはひたすら泣けます。私の泣いた映画ベスト5に入ります。初めて見たのが劇場でしたから、泣けて泣けて、今みたいに長いエンドクレジットがなくて、「THE END」で終わってしまう映画ですから、席を立てなくて大変困りました。ハンカチのご用意を、って言うけれどハンカチでは足りません。ティッシュ一箱用意して見て下さい。あっ、思い出すだけで涙が・・・。






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