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市民ケーン



CITIZEN KANE


1941年アメリカ映画 RKO
白黒  119分


監督 オーソン・ウェルズ
出演 オーソン・ウェルズ ジョセフ・コットン
ドロシー・カミング
エベレット・スローン アグネス・ムーアヘッド


フロリダのザナドゥ邸と名付けられた広大な御殿で、大富豪のチャールズ・F・ケーンが亡くなった。彼が最後に残した言葉は「バラのつぼみ」というものだった。この言葉の意味を探ろうと新聞記者のトンプソンが生前彼と交流があった人々にインタビューを試みる。かつての親友で、同じケーンの経営する新聞社の記者だったリーランド。2度目の妻のスーザン。執事。果たして「バラのつぼみ」の意味するところは?


オーソン・ウェルズが若干25歳にして製作、脚本、監督、主演と4役をこなして一躍時代の寵児となった作品です。そして、多くの人にこれこそ「映画史上ベスト1」と言われる名作です。映画ファンなら一度は見ずにはいられない作品と言えましょう。

ケーンは子供の頃に両親と別れ、莫大な財産を背景に教育を受けます。やがて、自分の財産を自由に出来る年に達した時に、彼が選んだ事業は新聞でした。それも弱小の新聞社。彼はそこを買い取り、「読者に全てを伝える、真実を伝える」と理想に燃えて新聞業をスタートします。業績は順調に伸び、全国に新聞は展開。さらに大統領の姪と結婚して順風満帆の人生を歩みます。でも、いつしかどこか少しずつケーンの人生の歯車が狂ってきます。政界への立候補、歌手志望の女性との不倫と再婚。その彼女のために無理矢理オペラ座を建てて彼女を主役に据えてしまう。こういった彼の暴挙は、親友だった新聞記者のリーランドとの確執を生むことになります。

ケーンは愛した者には同じだけ愛されないと気がすまない性質でした。しかし、それが行き過ぎては様々な行き違いや不幸を生むことになります。

大財閥、お城としか言いようのない豪邸、新聞王という地位。人生の成功の全てを手中に収めたかに見える彼のそれでも満たされなかった何かとは・・・。

オーソン・ウェルズ、この時25歳と思うと恐ろしい出来です。この脚本を書き、製作、監督を務め、若かりし頃から老年に至るまでのケーンを演じ分けます。まさしくこの作品を見ると彼の天才ぶりがわかります。

何といってもカメラワークや構成が大変に斬新です。41年という時代を考えると、この作品が登場した時の世の中の驚愕はどんなものだったのでしょうか。

映画史上世界一の名作と思うかどうかは、人それぞれです。私の場合は、もっと好きな映画があるのでそこまでは思えないのですが、映画を愛する者ならこの作品が必見であることだけは胸を張って言えます。何気ないけれど、真実を付いている台詞の数々も胸に残ります。


☆ザナドゥ邸って、中に動物園までつくってあって、象なんかをクレーンで運び込んでいたんですよね。全く何という屋敷でしょう。






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