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パリの恋人



FUNNY FACE

1957年アメリカ映画  パラマウント
カラー  103分
 
監督 スタンリー・ドーネン
出演 フレッド・アステア オードリー・ヘプバーン
  ケイ・トンプソン ミシェル・オークレール
   スージー・パーカー


ファッション雑誌のカメラマンのディックは、知的な撮影場所を求めて街の古本屋に突然撮影隊を引き連れて乗り込む。そこで働く娘ジョーが気に入ったディックは、彼女をモデルとしてスカウトし、雑誌の編集長らと共にパリに撮影旅行に出かける。知的だが地味だった彼女は、専門家たちの手によりモデルとして魅力的に大変身。ディックは今まで気づかなかった彼女の魅力に惹き付けられる・・・。


いきなり雑誌の撮影隊が乗り込んできた先は古本屋。そこで働いているオードリーは、ファッショナブルにはほど遠い冴えない娘。だが、カメラマンのディックは彼女の魅力を見抜き、モデルとしてスカウトし彼女を大変身させます。ファッションセンスだけに絞った「マイ・フェア・レディ」のような映画です。原題のファニー・フェイスはアステアがオードリーを称してそう呼ぶのです。でも決してけなしているのではなくて、「ちょっとユニーク」というような褒め言葉的に使っているのが面白い。ここから、ファニー・フェイスという意味合いが微妙に違って来始めたと聞きます。

全編で流れる「ス・ワンダフル」以外はさほど聞き覚えのある歌はないかもしれません。私は、アステアとオードリー、ケイ・トンプソンがパリに着いてからそれぞれ観光に出かけて歌い踊る「ボンジュール・パリ」が好きです。まるでパリの観光案内の如く名所を巡ってその前で脳天気に歌い踊るアメリカ人お上りさんぶりが許せる程度に微笑ましい。最後にやっぱりあそこに行かなくては!とばかりにエッフェル塔に行くとみんないた、というところがおかしいです。

この映画の最大の見所はやっぱりファッショナブルオードリーだと思います。とにかくパリに来てからの変身ぶりの見事さは眼を見張るばかりです。この映画の衣装は、かのイーディス・ヘッド女史とジバンシーが担当していると聞きます。特にパリに行ってからの衣装はジバンシーが担当だそうで、オードリーとジバンシーの切っても切れない仲はここから始まったのでしょうか?風船を持って走る黒いドレスも素敵だし、階段を降りてくる赤いロングドレスも素敵。青いガウンも溜息がでるような美しさだし、オードリーが思わず涙を流す白いウェデイングドレス・・・眼の保養になることこの上ありません。女性だったら、衣装だけでも思いっきり楽しめる映画ですね。

アステアはこの時、60歳少し前。相変わらず華麗な踊りで闘牛士の真似まで披露してくれます。確かに年を取ったという感はあるものの、やっぱりアステア。オードリーもバレエの経験をいかして、アステアとのロマンティックなダンスシーンで魅力を披露します。歌も頑張っているんですが、こちらはちょっと物足りないかな。それなりのムードは出しているんですが・・・。歌と踊りだったら、共演の熟年女性編集長ケイ・トンプソンのパンチに負けているのは仕方がないか・・・。

途中で、共感主義などの哲学が出てきてオードリーがはまってしまうなどのちょっと不思議な横道もありますが、この教授はミシェル・オークレール。「アンリエットの巴里祭」の彼がこんなところで見られるのは嬉しいですね。ちょっと情けない役ではありますが。哲学をこんなに茶化して良いのか?と思うところも。

ジバンシーのあんな素敵なドレスを着こなせるのはやっぱりオードリーだけかな、とちょっとうらやましさと溜息と・・・。でも、こんなに華やかな映画はやっぱり見ていて楽しいです。


☆ところで、オードリーの本屋の仕事はどうしたの?






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