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グランド・ホテル



GRAND HOTEL


1932年アメリカ映画  MGM
白黒 113分

監督 エドマンド・グールディング
出演 グレタ・ガルボ ジョン・バリモア
ジョーン・クロフォード
ウォーレス・ビアリー
ライオネル・バリモア


ある高級ホテルに同じ時に宿泊した5人の客。ロシアのバレエのプリマであるマダム・グルシンスカヤ。男爵を自称する泥棒。事業が危機に瀕していることに悩む社長。そしてその女性秘書。その社長の会社の経理課に勤務する男性は健康を害してすっかり悲観して有り金を使い果たそうとやってきた。そんな彼らの人間模様を描く・・・。


同じ時に同じ場所に居合わせた人々のそれぞれの人間模様を描く映画は、沢山作られています。特にパニック映画などでは常套パターンですね。それを「グランド・ホテル形式」というのですが、その名前の由来となったのがこの映画です。当時の人気スターをずらりと並べて、この年のアカデミー最優秀作品賞を受賞しました。

神聖ガルボ帝国と言われたグレタ・ガルボの美しさがまず光ります。バレエのプリマドンナの役で、ちょっとわがままだけれど、その実自分の人気の浮き沈みに悩んでいます。ガルボにしてみれば、これでも普通の人の役というところでしょうか。ちょっとノイローゼ気味のわがままプリマが、自分をカモと思って近づいてきた自称男爵と恋に落ちていく過程で、すっかり舞い上がっていく様が可愛さを感じさせます。相手役のジョン・バリモアは当時のハンサム俳優。ハンサムさと品と名前を武器に女性に近づいて、金目の物をゲットすることが目的の堕ちた詐欺師であります。でも憎めないのね。

ジョーン・クロフォードは彼女には珍しく(?)純情な娘役。社長秘書という役柄もあって職業婦人的な衣装で決めています。ウォーレス・ビアリーの社長は、関心はお金と女性というちょっと嫌な奴。そんな中で、ライオネル・バリモアが演じる平の会社員は光っています。病気に絶望した彼はそれまで貯めた小金をパーッと使って、精一杯愉しもうとします。時には羽目を外して。この小市民的な愉しみが良くわかるんですよね。他にホテル従業員役で、アカデミー賞に「ジーン・ハーショルト人類愛賞」として名を残すジーン・ハーショルトも出演しています。

キラ星の如く並んだ俳優たちのアンサンブルを堪能したい映画であります。


☆ジョン・バリモアってドリュー・バリモアの祖父です。そして、ライオネル、ジョン、エセル・バリモアは兄妹です。ハリウッドきっての有名な俳優一家なんですね。






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