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スカートの翼ひろげて



THE LAND GIRLS

1998年イギリス映画
 カラー 112分

監督 デヴィッド・リーランド
出演 キャサリン・マコーマック レイチェル・ワイズ
      アンナ・フリエル スティーブン・マッキントッシュ
   トム・ジョージソン モーリン・オブライエン


1941年イギリス。戦争で不足した農場の男手を補うために「農業促進婦人会(ランド・アーミー)」が組織され、都会の若い女性たちが農場の手伝いに派遣された。ローレンスの農場に派遣された3人の女性、ステラ、アグ、プルーは三者三様の性格。ステラは従軍中の婚約者がいて彼のいる所に近い農場を志願した貞淑な女性。アグはインテリ。プルーはちょっと男性好き。しかし同じ農場で働く年齢の近い彼女たちの間にはいつしか友情が芽生えていく。農場の一人息子ジョーは、最初は3人の娘たちに変な目で見られていたがやがて彼女たちの関心をかうようになる。婚約者のいるジョーだが、いつしか彼も娘たちが気になり始める・・・。戦局は厳しくなり、平和な農場の中に飛行機が撃墜される。そして、娘たちの心を奪った軍人たちは戦場に駆り出される・・・。


イギリス版銃後の女性の物語とでも言いましょうか。農場の男性たちも出征していき、人手が足りなくなってくる中、何より大切な食料増産のために駆り出された若い女性たち。名付けてランド・アーミー。牛を見たことさえなかった彼女たちが、慣れない農場の仕事を手伝うためにはるばるやってきます。農場主のローレンスは厳しい人で、休みを願い出ても「農業には休みがない」と突っぱねます。一人息子のジョーは、素朴で陽気な好青年。最初は娘たちの顰蹙をかいさえしたものの、一緒に作業し一緒に暮らすうちに彼女たちとうち解けていきます。1人の青年と3人の若い娘。そこに恋の花が咲かないわけはありませぬ。しかし、戦争という時代の波は彼ら彼女たちの思いをうち破ることなどお手のものなのでした。

ステラ、アグ、プルーは恐らく性格も育ちも全く違うものと思われます。こんな時代でなかったら友達になることはまずなかったであろう3人。でも、辛い農作業を一緒に経験し、同じ部屋で寝泊まりしてうち明け話をし、時には友人の悲しみを共に泣き明かすことで心の絆を作り上げていきます。

私が感動したのは、頑固者でちょっと意地悪でさえあったローレンス氏が夫人の病気で心を開いていくところ。「一緒にいられるうちに一緒にいた方が良い」と快くステラを婚約者のもとに送り出す気になるくだりです。

場所は田舎の平和な農場です。空襲など縁のなさそうなところ。それでも戦争の影は確実に忍び寄ってきます。この戦争がなかったら出逢うことのなかった彼女たちですが、さらに続く戦争のためにそれぞれの運命と愛を狂わされていきます。やるせない心の痛み。そんな状況の中でも、恋に憧れ、夢を見て精一杯生きる若い彼女たちの姿に人間の強さを見るのでした。


☆ラストシーンのあの大きなお屋敷が誰のものだか良くわからなかった・・・。






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