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三十四丁目の奇蹟



MIRACLE ON 34TH STREET


1947年アメリカ映画 20世紀フォックス 97分

監督 ジョージ・シートン

出演 モーリン・オハラ ジョン・ペイン
エドマンド・グエン ナタリー・ウッド


ニューヨークのメイシー百貨店で広報を担当するドリスの前にサンタクロースを自称する老人が現れます。クリス・クリングルと名乗る彼は、メイシー百貨店の名物サンタクロースとして人気者になります。しかし、幼い娘にもサンタクロースは存在しないと教えるドリスは現実主義の女性。とまどいながらも彼と親しくなりますが、娘は彼を本物のサンタクロースだと信じ、彼の方も自分はサンタクロースだと公言してはばかりません。彼の善意は売り上げ至上主義のデパートのクリスマス商戦まで変え、人々の心に温かさを送り込むのですが、あくまでサンタクロースだと言い張るため、彼は精神異常で裁判にかけられることになってしまいます。ドリスの知人の弁護士フレッドの力を借りて、遂にクリングルは法廷に立つことになりますが・・・。


信じることの素晴らしさを教えてくれる心の温かくなる映画です。クリスマスの定番映画の一つで、テレビや映画で何度もリメイクされています。

クリス・クリングルと名乗る老人は、自分をあくまでサンタクロースだと言い張り、そんな馬鹿な、と思っていた大人たちの心さえ、いつしか虜にしてしまう過程が面白いです。超現実主義のドリスでさえ、彼の魅力には逆らえないのです。そんな彼が、全国の子供たちの心をとらえてしまうのはごく自然の事でした。見ているうちに、果たして彼は本当のサンタクロースなんじゃないのか!?と段々疑問が頭をもたげてくるんですね。そんな馬鹿なと思いつつも、否定出来ない気持ちが働くのです。

サンタクロース役のエドマンド・グエンは、まさしくぴったりの役でアカデミー最優秀助演賞を受賞しました。白いお髭をふさふさ生やしたその風貌はサンタクロースそのもの。慈愛に満ちたその表情は、見ているだけで心が温かくなってきます。

気丈な女性を演じたら天下一品のモーリン・オハラも良いですね。一人で娘を育てる気の強いキャリアウーマン。心を惹かれ合う弁護士のフレッドとも、その気の強さ故に意地を張り合ってしまいます。サンタなんているわけない、と徹底的に否定しながらもクリス・クリングル老人を放っておけない内心の温かさも持っているんですね。

彼女の娘役で子役時代のナタリー・ウッドが出演しています。まだ、本当に小さくて可愛いんですね。彼女こそは、ある意味でモーリン・オハラと弁護士フレッド役のジョン・ペインの間のサンタクロースとも言える役割を担っています。赤い服を着ていなくても、白い髭を生やしていなくても、トナカイに乗っていなくても、「ホッホッホッー」と言わなくても、人と人との間のサンタクロースの役目を果たすことは出来るのですね。

主な舞台がクリスマス商戦真っ只中のデパートだけあって、結構リアルなビジネス戦争も描かれているのですが、それが何とも楽しく心温まる形で変わっていくあたりはファンタジーで、素敵です。

最後の最後、起きる奇蹟には思わずジーンと来ます。
作られてから50年以上経っていますが、人の心の温かさはいつまでも変わらないでいて欲しいもの。クリスマスには是非見たい映画の一本です。



☆信じる者は救われる。






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