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緑園の天使



NATIONAL VELVET

1944年アメリカ映画
カラー  128分
 
監督 クラレンス・ブラウン
出演 ミッキー・ルーニー エリザベス・テイラー
ドナルド・クリスプ アン・リヴィア
        アンジェラ・ランズベリー レジナルド・オーウェン


1920年代のイギリスの片田舎。流れ者のマイは、父の知り合いのミセス・ブラウンを頼ってやってくる。三女のベルベットはマイに懐き、馬に詳しい彼と馬談議で楽しく過ごす。そんな時、ずっとベルベットが憧れていた馬のパイが売りに出されることになり、くじ引きの末ベルベットが手にすることが出来た。マイには調教師の腕があり、パイの調教が始まる。そしてマイとベルベットは、有名な乗馬大会グランドナショナルにパイを出場させるために練習を重ねるのだった・・・。


少女時代のエリザベス・テイラーが美しく、馬との友情が心に響く名作です。男の子に夢中の姉と違い(何と長姉はアンジェラ・ランズベリー!)、ベルベットは馬に夢中の少女です。一目で好きになった荒馬パイが人に譲られると聞いて、何が何でも手に入れたいと熱望。くじ引きに家族も協力しますが、世の中はそううまくはいかないもの・・・。でも、運命の神様はベルベットとパイの絆を見抜いていたのでしょう。晴れてパイの馬主となってからのベルベットはとにかくパイ一筋です。パイの並はずれた跳躍力を見抜いたベルベットは、パイを有名な障害競争グランドナショナルに出場させたいと願うのです。しかし出場には沢山のお金がかかります。ベルベットの家は精肉店で、お金に困っていることはないものの、そんな沢山のお金は出せません。そこへ、若い時水泳選手だった母が助け船を出すのです。かつて海峡横断に挑戦した母は、夢見ることの大切さ、挑戦することの大切さを良く知っており娘の夢を大事にしたかったのでした。口数は少ないけれど、このお母さん役のアン・リヴィアがとても素敵です。あくまで地味なご婦人なのですが、言葉のひと言ひと言に重みがあり食卓に座っていても背筋がすっと伸びていてキリッとした感じ。その妻に何だかんだ言ってうまく言い含められる夫のドナルド・クリスプもちょっと頑固でちょっとユーモラスな味を良く出しています。両親役のこの二人は当時旬の俳優さん。「わが谷は緑なりき」「紳士協定」・・・。40年代の映画では彼らの父役、母役を数多く見ることが出来ます。

マイ役のミッキー・ルーニーは少年役から脱皮した頃。お金を盗もうとしたり、どこか胡散臭げなマイですが、もともとは騎手として活躍した彼。ベルベットの情熱に段々ほだされて、悪事なんかすっかり忘れていってしまう過程が見ていて快いのです。

さてさて、グランドナショナルの当日。着飾った紳士淑女の皆さん、賭けのブックメイカーに群がる人々。バグパイプが鳴り響き、華やかな雰囲気の中でいよいよパイが出走します。騎手は誰なのか?パイはどうなるのか?緑の芝生を疾走し、生け垣を軽々と飛び越え、ゴール目指してひた走る馬たちの姿がとても素敵。家族の愛情と、少女の夢と、馬との友情を描いた感動作です。


☆「僕は病気だ」といつも言っている末の弟はジャッキー・ブッチ。可愛い?かどうかはやや疑問ながら、当時はなかなか活躍していた名子役でした。それから、ベルベット達の学校の先生は、「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ家の家政婦さんなのでした。






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