おすすめ映画































































野ばら



DER SCHONSTE TAG MEINES LEBENS

1957年西ドイツ映画
 カラー  95分

監督 マックス・ノイフェルト
出演 ミヒャエル・アンデ パウル・ヘルビガー
 エリノア・イェンセン


ハンガリー動乱を逃れてきた難民の中に一人の少年の姿があった。彼の名はトーニ。かつて船長をしていた親切なブリュメルのもとに引き取られて幸せに暮らすトーニだったが、彼の音楽の素質に気づいたブリュメルは彼をウィーン少年合唱団に入れる。そこで、音楽を習い集団生活を体験するトーニは、寮母のマリアに母の面影を見いだし慕う。しかし、寮で盗難事件が起こり・・・。


この映画も、子供時代のテレビ放映の定番作品でした。懐かしいです。主な舞台はウィーン少年合唱団。タイトルの「野ばら」はトーニが合唱団に来た時のテストで独唱します。何とも清らかな美しい歌声。それにごく自然に唱和していく少年たちの歌声も実に美しいです。

親を亡くして亡命してきた少年が親切な老人に引き取られるところから話は始まります。昔は背景まで考えなかったのですが、時代からしてハンガリー動乱だったのですね。それを知ると話が急に重くなります・・・。しかし出会ったブリュメルは陽気で親切な人。何だかあまりに簡単に少年一人を引き取ってしまうところに違和感があるものの、ま、この人なら心で行動しそうだな、と納得出来るのですね。一人暮らしのブリュメルにとってもトーニとの日々は楽しいものでしたが、トーニの美声を聞いたブリュメルはトーニをいきなりウィーン少年合唱団に連れていくのでした。そして、何故か募集がないのに入れてしまうところが奇跡(苦笑)。

まあ、そういったストーリー上のご都合は置いておいて(昔は素直に感動していたのになあ)、とにかくウィーン少年合唱団!学校では勿論、遠足でも部屋でもいつも音楽に満ちていて少年たちが歌わされているのではなくて、根っから音楽が好きでいつも歌と一緒にいたいという気持ちが満ちあふれているところが素敵であり、幸せな気持ちにさせてくれるのです。さらに、アルプスの美しい風景が拍車をかけます。寮母のマリアが登っていく山。何故かチロル風の衣装をいきなり着ているところが変なんですが、この衣装が可愛いから許してしまいます。雄大でありながら優しいアルプスの風景と美しい音楽に可愛い少年たちの歌声ときたら、もう嫌いになれるはずがありません。マリアとシュミット先生との恋のエピソードや、笑いを誘う中年先生や、随分理解がありそうなのに肝心のところで抜けているおかげで話を必要以上に面白くしてくれる校長先生や、色々なキャラクターに囲まれての、清らかな少年のお話。この年になると、突っ込みどころ満載なのに・・・でも泣けます。特に「アヴェマリア」でもう涙がどーっと。女性の皆様、どうぞお化粧に気をつけてご覧下さい。


☆母さん、僕のあのハーモニカどこに行ったんでしょうね。面会日に母さんがくれたのを、マリアさんが奪って(苦笑)、トーニにあげたあのハーモニカですよ。トーニがその後怒って放り投げたのですが、あれからどうなったのでしょう。






(C) 2012 Paonyan?. All rights reserved