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オクラホマ!



OKLAHOMA!


1955年アメリカ映画  20世紀フォックス
カラー 143分

監督 フレッド・ジンネマン
出演 ゴードン・マクレー シャーリー・ジョーンズ
グロリア・グレアム ジーン・ネルソン
シャーロッテ・グリーンウッド
エディ・アルバート ジェームズ・ホイットモア
ロッド・スタイガー


20世紀初頭のオクラホマ準州。牧童のカーリーと農園の娘ローリーは幼なじみで恋仲だが、本人たちは何かと意地の張り合いをして仲が進展しない。美しいローリーに、農園で雇われているジャッドは横恋慕している。一方、ローリーの友人のアニーはウィルという恋人がいながら、他の男性にも心を惹かれる浮気者。今は行商人のアリ・ハキムに心を移している。街でお祭りが行われ、若い娘たちは着飾って出かけ、男性たちはお目当ての娘の気を惹くのに一生懸命。しかし、ジャッドが事件を起こす・・・。


リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン2世の大ヒットミュージカルの映画化です。トッドAO方式を使っての大型画面に、果てしなく広がる草原を映しだして、ミュージカルが大空の下に出た開放感を大きく持たせた記念碑的作品でもあります。冒頭映し出される一面のトウモロコシ畑が何とも壮大です。これは大草原ミュージカルの代表ですね。

ゴードン・マクレーとシャーリー・ジョーンズは「回転木馬」でも主演したコンビです。シャーリー・ジョーンズは後年「エルマー・ガントリー」でアカデミー助演賞を受賞して演技派になりました。テレビドラマ「人気家族パートリッジ」のお母さん役の人と言ったらわかる方もいるでしょうか。アイドルだったデビッド・キャシディの義母であり、ショーン・キャシディの実母です。でも、この頃は実に可愛らしい娘さん。映画デビュー作でありました。

脇にはベテランが揃っていて、ローリーの伯母さんを演じたシャーロッテ・グリーンウッドが西部に生きる実にしっかり者の女性で良い味を出していました。若い娘たち、男性たちを見守るのに欠かせないキャラクターですね。エディ・アルバートは調子が良くて女性好きな行商人。アニーに迫られてオタオタする姿が笑いを誘います。グロリア・グレアムは浮気者の軽い娘アニーを演じますが、彼女はすでにオスカーも受賞している実力派の女優です。特筆すべきは、ロッド・スタイガーでしょう。農園で働く乱暴者のジャッド。あのいかつい体と容姿でローリーに迫るのですが、拒否されてちょっと気の毒な面さえ感じてしまいます。何と歌まで歌うのですが、これが自分で歌っているかどうかは今のところ不明です。

やはり素晴らしいのはロジャース&ハマースタインの音楽の数々でしょう。オープニングで歌われる「美しい朝」。「♪Oh, What a beautiful morning〜」という歌はきっと聞き覚えがあるのではないでしょうか。夢の馬車を歌う「飾りのついた4輪馬車」。カーリーとローリーが自分たちが噂されていることを歌う「恋仲だと人は言う」。カンザスシティから帰ってきたアニーの恋人のウィルが街の様子を歌う「カンザスシティ」の歌は笑えます。カンザスシティは自動車も電話も7階建てのビルさえある何でもある夢の街〜という歌です。幻想的なバレーシーンに誘う「私の夢から」はとても綺麗な歌です。そして、何と言ってもクライマックスを盛り上げる「オクラホマ!」。この頃はまだ準州であったオクラホマですが、州への昇格を待っている状況。豊かな土地オクラホマを愛する人々がみんなで高らかに歌い上げるこの歌は、オクラホマ州民でなくても何だか嬉しくなってくるような歌です。ちなみにこの「オクラホマ!」はオクラホマ州歌に採用されました。ミュージカルの歌から州歌を選ぶなんて粋ですね。

お祭りで、娘たちが作った料理入りのバスケットを男性たちが競っていくのも面白いですね。これは学校建設の資金を貯めるためなんですって。

とにかく曲が素敵。オクラホマの風景も素敵。女性たちのドレスも可愛くて色とりどり。そんな中に牧童と農民よ、共存しよう!という訴えまでさりげなく込められています。牧場と農場は何かと敵対することが多くて、当然両者で働いている者たちの間ではもめ事も多々起こっていた時代なんですね。

ロジャース&ハマースタインファンならずとも、ミュージカルファンだったら是非一度はご覧下さい。


☆ラストで出てきた飾りのついた4輪馬車はどこからどうやって調達してきたんでしょう。買うお金はどこから出たのかな?それとも借り物?






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