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ペーパー・ムーン



PAPER MOON


1973年アメリカ映画 パラマウント
白黒 102分


監督 ピーター・ボグダノヴィッチ
出演 ライアン・オニール テイタム・オニール
マデリン・カーン ジョン・ヒラーマン
ランディ・クエイド


聖書を売り歩く詐欺師のモーゼは知り合いの女性の葬儀に出席したために、彼女の遺児である少女アディを彼女の親戚の家に送り届ける羽目になる。嫌々出発したモーゼだが、途中、彼の聖書を売る商売でアディが思わぬ機転を発揮したことから、2人は相棒として聖書を売り歩くことになる。途中に娼婦と出会って同行することになったり、保安官に追われたり・・・様々なハプニングを経験することになるのだが・・・。


時代は大恐慌時代のアメリカ。貧しさがヒシヒシと伝わってくるモノクロ画面の映像がまずとても良いです。こんな時代だから、詐欺師も時には許されるのか?モーゼは全く憎めない詐欺師です。でも、アディはモーゼを上回る機転の効く少女。彼女のおかげで聖書の売り上げは伸びるし、ピンチは脱出出来るし。最初は送り届ける荷物でしかなかったアディは長旅を通してモーゼの立派な相棒になっていきます。

モーゼ役のライアン・オニール、アディ役のテイタム・オニール。ご存じのように実の親子です。ライアン・オニールのとぼけた詐欺師役も良いけれど、テイタムのこましゃくれていつもすねているような顔をした役どころが実に良いです。この演技でテイタムは、史上最年少のアカデミー助演女優賞を穫りました。

詐欺は立派な犯罪だとわかってはいても、彼らのあの手この手には実に笑えます。聖書の売り方といい、20ドル札のトリックといい、おばさんがくれたお札の話といい・・・。実に面白い。

ロードムービーの走りの頃と言えるでしょうか。思わぬ旅を通して赤の他人のモーゼとアディの心が通っていく情景が心地良いです。でも、笑いを忘れていなくて、途中邪魔者の娼婦にモーゼが夢中になったり、その彼女を追い出したいアディのあの手この手作戦があったり。全く、次から次へとネタには事欠かない映画なのです。

冒頭に流れる「ペーパー・ムーン」の歌がつーんと胸を打ちます。「信じ合えば、愛し合えば神のお月様だって本物になるの」。やっぱり最後は一筋の涙がなくては見られない映画です。


☆この映画を見た時に、お釣りをもらう時のトリックが今ひとつ理解出来なかったのですが、どなたか教えて下さい。






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