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恋愛専科


ROME ADVENTURE


1962年アメリカ映画 ワーナーブラザーズ
カラー  120分

監督 デルマー・デイビス
出演 トロイ・ドナヒュー スザンヌ・プレシェット
アンジー・ディキンソン
ロッサノ・ブラッツィ ハンプトン・ファンチャー


アメリカの名門女子大で働いていたプルーデンスは学生に「恋愛専科」という学校では禁じられている本を薦めたかどでとがめられ、勢いで退職し、アバンチュールを求めてローマに向かう。客船での旅の途中、母の友人の息子でお堅い学者のアルバートや、イタリアの粋な紳士ロベルトと親しくなる。ローマではロベルトの紹介で侯爵夫人の経営する下宿屋に滞在することになる。そこに前から滞在していたアメリカ人の留学生ドンは、恋人と別れたばかり。ハンサムなドンに心惹かれていくプルーデンス。いつしか2人は親しくなり、夏のバカンスで2人だけでイタリアの観光地を回る・・・。


トロイ・ドナヒューは1950年代後半から60年代にかけて爆発的な人気があった人です。さもありなん。何とも甘いそのマスク。たなびく金色の髪。高い背。女性だったら一目見たらポッとなるタイプのハンサムであることは間違いなし。1950年代後半の日本の雑誌でも、トロイ・ドナヒュー、ジェフリー・ハンター、タブ・ハンターの御三家が表紙を飾る人気時代がありました(とさ)。

そのトロイ・ドナヒューがローマを舞台に繰り広げる恋愛劇。相手はローマに新たなロマンスを求めてやってきたスザンヌ・プレシェット。「鳥」で女教師役を演じていた人で、この映画が起因になったのかどうかは知りませんが、64年にはトロイ・ドナヒューとゴールインしたことでも有名になった人です。まあ、別れは結構早くやってきたようではありますが。

この映画はとにかくイタリアの見事な観光映画となっています。ローマは勿論、ドンとプルーデンスが夏のバカンスで向かう各地が見られてとっても得した気分になります。ピサの斜塔。ローマ帝国時代のコロシアム。ベローナではバルコニーに立つプルーデンスに向かってドンがロミオになりきってのセリフつき。そして、アルプス(なのかしら)地方の風景の美しさは目を見張るばかりです。ロープーウェイかと思いきや見ているだけで怖いリフトのような物に乗っての登山。しかし、山頂に広がる光景の美しさ。2人が泊まる山荘も素敵。とにかく、このバカンスのシーンは2人の恋模様をつい忘れてしまって風景に見とれてしまうのであります。

それから、この映画の素晴らしさの一つはやはり音楽。デルマー・デイビス監督、トロイ・ドナヒュー主演、音楽はマックス・スタイナーというのがどうもお約束みたいなのですが、この映画の中で心に残る曲は何と言っても「アルディラ」。2人でレストランで聞いた曲。そして山のスピーカーからも聞こえてくる曲。素晴らしいです。聞いたことがない方は是非!

トロイ・ドナヒューとスザンヌ・プレシェットのフレッシュな魅力が弾けていますが、脇を固める役者も素敵です。ドンの前の彼女で、男を手玉に取る悪女役のアンジー・ディキンソン。スザンヌ・プレシェットが若さと純粋さなら、アンジー・ディキンソンは大人の女性の魅力爆発。それから、イタリアでプレーボーイ、粋な紳士と言ったらこの人しかないでしょう!のロッサノ・ブラッツィ。多分10年前だったら、間違いなくスザンヌ・プレシェットに言い寄っていたであろう彼も、年相応にプレーボーイでありつつも役目をわきまえた落ち着きが素敵なのでありました。

誠実の燭台、ドンの誕生日に贈った物、小物も効いていて溜息が出るくらいおしゃれな映画です。これを見るとイタリアに行きたくなること間違いなし。


☆大きな犬を飼っている書店の女主人も良かった。人生をわきまえていて。エトルリア人にしか興味がない(?)アルバートの勘違いぶりが笑いを誘います。



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