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スティング



THE STING

 1973年アメリカ映画
 カラー  129分

監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ポール・ニューマン ロバート・レッドフォード
  ロバート・ショー チャールズ・ダーニング
   アイリーン・ブレナン レイ・ウォルストン
 ハロルド・グールド


1930年代、シカゴ。この街で詐欺師として活躍するフッカーは、仲間と3人である男を引っかけて思いもしない大金を手にする。しかしそれが組織絡みのお金だったことから、仲間は殺されフッカーは追われる身になる。詐欺師の大物ゴンドーフのところに身を寄せたフッカーは、彼と組んで組織のボス、ロネガンを引っかけるべく大作戦を繰り広げる・・・。


30年代ムードたっぷりのお洒落なオープニング。洒落ていて思わず口ずさみたくなるテーマ曲「エンターティナー」。最初からぐいぐい引き込む演出はさすがです。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのブッチ&サンダンスコンビの息もぴったりで、貫禄が増したニューマンとニューマンに比べれば仕方ないもののちょっと頼りなく、良く言えば若々しい(?)レッドフォード。そこに、組織の大物としてロバート・ショーが絡むという絶妙のキャストも魅力です。

冒頭、フッカーと詐欺師仲間の実に見事な手口でスカッ(詐欺でスカッとしていて良いのか、という話は置いておいて・・・)とさせてくれた後、早速にそこからの急転落。ニューマン演じるゴンドーフの元への逃亡とぐいぐい引っ張られます。ところが、頼りのゴンドーフは酒を飲んでベロベロに酔っぱらっているという、ある意味常套手段、ある意味このどん底からの這い上がりが面白い話でもあるのです。酔っぱらいゴンドーフが紳士に化けての列車でのポーカー。そこからの大引っかけ作戦。とにかくその作戦の大がかりさには目を見張るばかり。どんな作戦かは禁句ですので言いませんが、初めて見た時は本当にびっくりしたものです。今でこそ、大逆転劇というのは映画でもいくらでもあって観客も目が肥えてしまっていて見破ってしまうかもしれない。でも、そういった一発大逆転、呆気に取られるラストの先駆けとなった作品として見れば逆に新鮮に思えるのではないでしょうか。

とにかく作りが丁寧なのが、とても小気味良いのです。作戦に従事する面々も個性がいっぱいで、何にでも化けるハロルド・グールドが電信局(だったかな?)の局長に化けた時に机の上の写真をすり替える芸の細かさなども笑えます。いつも、ラジオ放送を担当しているレイ・ウォルストンが長い紙を必死に探している様も(何の話かは言えない)面白い。警察側の絡みも絶妙で、やんやとうるさい刑事を熱演しているチャールズ・ダーニングの熱さがこれまたとても生きてくるなど伏線もばっちり効いていて本当に凝った映画です。おまけにこの人はあっち側なのかこっち側なのか、全然関係ない側なのか、それを推理するだけでも面白さ倍増です。

30年代縞々スーツに花束抱えて天真爛漫に笑っている冒頭のレッドフォードが妙に可愛くて、頼りない奴と思いつつもついかばってしまうニューマンの気持ちがちょっとわかる気もします。女優陣に何故か綺麗どころのいないこの映画。この手の話ならパッと花咲く派手な美人が出そうな気もするんですが、出てくるのはちょっと生活やつれした決して美人とは言えそうもないお年も重ねた方々ばかり。でも、それがリアリティがあってここに派手に着飾ったブロンド美人登場ではただ花を添えるだけだってことが歴然としているし、作戦遂行には意味もなく目立ちそうだし、それぞれ人生を背負った個性ある女優さんたちが結構良い味を出しているのもこの手の映画にしては大変珍しいところだと思います。

アカデミー賞作品賞その他を受賞したとにかく見ていて爽快になる凄く面白い映画です。


☆ゴンドーフが住んでいる部屋の前にあるメリーゴーランドって何なんでしょう。室内遊園地?それにしてはメリーゴーランドしかないのよね。






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