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タイム・アフター・タイム



TIME AFTER TIME

 1979年アメリカ映画
 カラー  112分

監督 ニコラス・メイヤー
出演 マルコム・マクダウェル デヴィッド・ワーナー
 メアリー・スティンバーゲン


時は1893年のロンドン。作家のH・G・ウェルズは名作「タイム・マシン」をまだ書いてはいなかったが、実際にタイムマシンを発明する。彼は自慢げに友人たちにそのタイムマシンを披露する。折りも折り、警官たちが切り裂きジャックがこのあたりに逃げ込んだと言ってウェルズ宅を訪れる。その夜彼の家を訪れていた友人のジョンこそ切り裂きジャックだったのだ。しかし、ジョンはタイムマシンに乗って未来世界へと逃亡してしまう。責任を感じたウェルズは、タイムマシンでジョンの後を追い、銀行員エイミーの助けを得てジョンの行方を突きとめる・・・。


時間旅行物の映画は数々ありますが、これはその本家本元「タイム・マシン」を書いたH・G・ウェルズを時間旅行させてしまうという大変大胆なアイデアであります。おまけに彼が追いかけるのは、あの有名な切り裂きジャック。2人が到達したのは1979年のサンフランシスコ。そこにいきなり1800年代のロンドンスタイルのウェルズが現れるギャップが見所です。それでも何故かあまり違和感を感じずに溶け込んでいるんですね。しかし、町にあふれる文明の数々はいかにSF作家のウェルズであっても驚きの連続でした。電話に車、テレビ・・・。過去のSF作家が未来旅行をしてカルチャーギャップにとまどう姿が、何とも愉快なのです。

両替に入った銀行で知り合うのがいかにも現代女性のエイミー。彼女の助けを得て、ウェルズはジョンの居場所を知ることが出来ます。そして、いつの間にかウェルズとエイミーは恋に落ちてしまうのです。マルコム・マクダウェルと言えば圧倒的に危ない役が多い俳優ですが、その彼が一途に恋をして、その彼女のために必死になる様子に感動を覚えます。こんなマルコム・マクダウェルを見るだけでも、この映画は価値あり。デヴィッド・ワーナーは悪役が多い俳優らしく、史上名高い悪人切り裂きジャックを怪演していますし、まだ若かったメアリー・スティンバーゲンが勝ち気だけれど恋に弱い現代女性を可愛く演じているところも見所です。

監督のニコラス・メイヤーはトレッキーならおなじみの人でしょう。「スター・トレック2/カーンの逆襲」を始め、このシリーズの脚本や監督に何度も参加しています。この作品では脚本も書いています。SFでは一定の評価を得ている人だけに安心して楽しめるツボを押さえた秀作になっています。

警察に行って自分の名前をシャーロック・ホームズと名乗るところなどを見ると、ホームズが後生に残るとは思っていなかったのでしょうか。そこもちょっと見所。

時間旅行と切り裂きジャックの起こす殺人を未然に防ごうとするサスペンスが見事にマッチした大変楽しい作品です。SFファンではなくても十分にファンタジーとして楽しめます。


☆壊れた眼鏡を取り替えるところが面白かったです。度はずっと変わっていなかったのかな?






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