「サウンド・オブ・ミュージック」作品紹介



















































サウンド・オブ・ミュージック

The Sound of Music


1965年アメリカ映画 20世紀フォックス カラー174分

監督 ロバート・ワイズ
出演 ジュリー・アンドリュース クリストファー・プラマー エリナー・パーカー リチャード・ヘイドン ペギー・ウッド シャーミアン・カー

カメラがアルプスの山並みに迫っていく。吹き渡る風の音。なめるように映していく山また山。遠くの人影にカメラが迫っていく、段々近づいて、そしてくるりと一回りして歌い出すジュリー・アンドリュース。

屋外ロケ、70ミリの大画面の魅力をこれほど引き出したオープニングはそうはない。 山の上で歌うマリア(ジュリー・アンドリュース)は尼僧見習いだが、歌が好きでしょっちゅう修道院を抜け出しては歌を歌っている。そんなマリアを、修道院長は家庭教師に派遣することにする。派遣先のトラップ家は、厳格な退役海軍大佐のトラップ男爵と7人の子供たちの家庭。母親を亡くし、父親は軍隊式の厳しいしつけで子供たちを育てていた。最初は反抗的な子供たちの心を、マリアは持ち前の明るさとお得意の歌で惹き付けて、淋しかった家庭に音楽の調べを呼び戻していく。

ナチスドイツに与さず国を出てアメリカに渡ったトラップファミリーシンガーズの在りし日の姿を描いた実話。

リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の名コンビが作詞作曲してブロードウェイで大ヒットを飛ばした。この時の主演はブロードウェイミュージカルの女王メリー・マーティンだった。

65年、ジュリー・アンドリュースをヒロインに迎えて製作されたこの映画はアカデミー作品賞その他を受賞。空前の大ヒットを飛ばし、ついには「風と共に去りぬ」が持っていた興行収入歴代一位の座を奪って、文字通り史上最大のヒットになる。63年に20世紀フォックスが空前の制作費をかけて作った「クレオパトラ」があまり当たらず、20世紀フォックス経済的に大ピンチに陥り会社が傾きかけたが、この一本がたちまち救ってくれた、という逸話もある。

ザルツブルグロケによる映像も素晴らしいし、音楽も馴染みのものばかりで耳に心地よい。ミュージカルの楽しさを凝縮させ、なおかつストーリーにメッセージも織り込んだ傑作中の傑作。






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