ワールドカップ特集



















2002/7/14
マルセル・デサイー


Marcel Desailly
1968年9月7日生まれ  フランス
183cm


言わずとしれたフランスの不動のセンターバックです。ワールドカップ、ユーロと連覇を成し遂げた黄金のレギュラーの一人。ブランと組んだセンターバックは高く強く、さらにテュラム、リザラズを加えた4バックは、何年もの間コンビを組み続け、遂に不敗伝説を残しました。
相棒のブランと、親友でキャプテンだったデシャンの引退後、デサイーはキャプテンとしてチームをまとめてきました。このワールドカップは思わぬ結果に終わってしまい、悔しさを噛みしめていることでしょう。デサイーはとにかくあたり負けしない強い選手でした。その彼が、年齢を考えれば仕方ないとはいうものの、衰えを見せていたことがショックでした。

でも、デサイーが王者の一人であったことは事実です。世界最高のセンターバックの一人であったことも。

彼はガーナ生まれです。そこの大使館か領事館かに赴任していた今の父親が、未亡人だった彼の母親と恋に落ちて結婚して、彼らはフランスに渡りました。デサイーはこの義理の父を肌の色が違おうが、血がつながっていなかろうが、大変に尊敬していると語っています。若いときからサッカー選手として英才教育を施され、ずっと一緒だった同い年のデシャンとは大親友となりました。凄みのある顔や体格からは想像もつかないお茶目な面も大いに持ち合わせている人のようです。両方の手に携帯電話を持って話している姿は今やデサイーのトレードマークになりつつあります。


デサイーで思い出すエピソードがもう一つあります。ワールドカップの表彰式。キャプテンのデシャンが最初にメダルをもらい、その後に続いていたのがデサイーだったのですが、彼は途中で立ち止まってしきりに後方に声をかけています。何だろうと目を凝らすと、後ろの方にいるブランに前に来い、と声をかけているのでした。ブランは大先輩ですが、年功序列にはこだわらない外国のこと。彼も平気でブランのことを「ロロ」と呼び捨てにしているのですが、晴れの舞台で自分よりもより苦労の長かったブランこそ、キャプテンの次にメダルをもらうべきだと気を利かせたのでした。やっと前にやってきたブランの肩に手を置いて「良かった」とばかりに笑っているデサイーを見て、良い人だな〜と感激したのでありました。

長年コンビを組み続けた相棒同士の友情・・・心に残るシーンでした。



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