ワールドカップ特集



















2002/5/19
ステファン・ギバルシュ

Stephane Guivarc’h
1970年9月6日生まれ  フランス 
184cm


98年ワールドカップ優勝メンバーの一人です。
背番号9、栄光のエースストライカーの番号を背負って登場した大会でした。それもその筈で、彼はフランスリーグ得点王の、堂々とした勲章を下げての登場でありました。

でも、何と緒戦の南アフリカ戦で負傷退場!エースストライカーの負傷退場は、フランスの行く手に暗雲を立ちこめましたが、運良く次から次へとヒーローが登場することになりました。

怪我の程度がどれほどだったのかはわかりませんが、その後見たドキュメンタリーでは思わず唸るくらい痛いリハビリを受けている様子が映っていました。そんな彼とスタッフの努力のおかげで、大会中盤には何とか戦列に復帰しました。しかし、まだまだ本調子には遠かったのでしょうか。それにゴール勘も狂ってしまっていたのかもしれません。結局彼は、エースとしてはゴールを決められないままワールドカップを終えることになりました。もし、緒戦の怪我がなくてベストコンディションで試合に臨めたら結果は変わっていたのではないでしょうか。


フランスの決定力不足は大会前から言われていたことですが、彼の怪我による戦線離脱でますます深刻なものに。しかし、逆にそれがチームメイトのゴールを狙う心に火をつけたのかもしれません。フォワードからディフェンダーまで、フランスは実に沢山の選手がゴールラッシュを演じることになるのです。皮肉と言えば皮肉。

それでも、エメ・ジャケ監督は彼を使い続けました。それには批判も相次いだけれど、彼に調子を取り戻して欲しかった親心でしょうか。

しかし、ギバルシュはチームの中では地味なシーンでも貢献しました。ディフェンスやパス、エースストライカーならまずしないであろう地味なプレーの積み重ねで確かにチームの一翼を担っていました。チームのために働かない選手は要らない、と言ったジャケ監督の目はその点では確かでした。

彼が好きな理由は、まずはハンサムなことなのですが(笑)、彼のストライカーとしての不運も心を打たずにはいられませんでした。一番辛かったのは彼自身ですよね。それでも彼はチームのために頑張った。彼は立派なワールドカップ王者です。リハビリに耐えて、短期で復帰したその根性だけでも賞賛されて良いですよね。



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